出雲崎から佐渡を眺め越後線を乗り切る

 芭蕉は、象潟から日本海沿いに歩き越後へ入って出雲崎で名句を残している。私も、出雲崎を訪ねるべくJR東日本大人の休日パスを待ち、白鳥到来時期に合わせ水原瓢湖行きとセットで出掛けることにした。ルートは北陸新幹線から直江津経由もあるが、上越新幹線で長岡経由にした。この時期寒さ対策が重要とそれなりの準備をする。

 越後平野は雪一色 トンネルを抜けると雪国であったは、有名な小説で、湯沢駅付近の雪は想定内だが、越後平野中央へ出でも、白一色。昨夜からの雪らしい。長岡駅に降り、柏崎行きの信越線に乗り換えた。雪の中の電車は越後平野をスピードを落とし走った。これでは出雲崎も雪に覆われ芭蕉追っ掛け処ではない。車中、予定変更を検討し、越後線乗り鉄が浮かんだが、過疎ダイヤで柏崎か出雲崎の何れかで時間を潰すか迷った。その中で、日本海寄りは雪は少ないのではと一縷の望みを持った。
 芭蕉と出雲崎 20分程遅れで柏崎駅に着き、越後線が待っていて乗り換えた。電車が出雲崎に近づくに連れ雪は無くなり問題はない。ラッキーである。出雲崎駅前案内所で、情報収集。マップで芭蕉園の位置を教えて貰い、徒歩で時間はと尋ねると担当者は“うーん”と唸り言葉を濁した。私は、30分程度と読みスタート。峠を越えたが未だ先で海も見えない。小さな峠を二つ越し良寛記念館。出雲崎は良寛の出身地で、良寛史蹟があるのは事前調査で知った。マップ上記念館と芭蕉園が並ぶが、通りが違うと気付き、海寄りへと階段を下る。手前高台から日本海と佐渡が望め(写真上)、カメラを向けた。

 古い街並みになり北国街道。江戸期佐渡からの金荷揚げ地として賑わい、流人を送る港でもあった。第四銀行支店の先に芭蕉園はあった。1時間を要した。小さな公園で、芭蕉像(写真下)と石碑があり“銀河ノ序”で、“荒海や 佐渡に横たふ 天河”と結んだ当地を記した句文碑のよう。有名な句だが、出雲崎ではなく次の直江津で披露したらしい。天候等からその前に、新潟から出雲崎へ歩いた際着想を得て完成させたとの説がある。元禄2(1689)年旧暦7月4日、二人が泊まった大島屋は、園斜め向かいにあったが今はない。
 北国街道を行き、左手の石段を上がり妙福寺で、芭蕉の弟子達がその後に2人も訪ね俳聖を偲んだ記念の碑・俳諧伝灯塚があった。出雲崎駅へはデマンドタクシーを呼んで戻る。案内所の紹介で、多分半額以下の料金。
 越後線で新潟へ 越後線に再度乗車し、新潟駅へと向かう。暗くなり車窓からの眺めのない中、吉田駅で乗り継ぐ。この駅は弥彦山へ登った時(09.5.5)も、新潟行きに乗り換えた駅。先程出雲崎で、海へ突き出た美しい山を眺めたが弥彦山であった。電車は新潟へ近付くに従い通勤客で込み合い、18時に新潟駅に降り、混雑する駅ビルを出て、ビジネスホテルを探した。(2019/12/23 K.K. 1302/1400)

◇日時 2019/12/6 ◇天候 曇り ◇交通費 JR東日本大人の休日パス、タクシー500円◇資料 久富哲雄「奥の細道の旅」2014年4刷165頁 ◇歩数等 13,000歩 9km 
「通過時間等」自宅7:50-JR上野駅8:58-同長岡駅10:57-同柏崎駅12:13-同出雲崎駅12:50=芭蕉園13:55=妙福寺14:05-JR出雲崎駅16:02-同吉田駅17:00-同新潟駅17:55-宿泊先18:05