都内中野蓮華寺、哲学堂から豊島トキワ荘へ歩く

 昨年秋、光が丘公園から練馬の寺院に芭蕉句碑を訪ねたが、最後に予定していた蓮華寺は疲れで断念してしまった。再チャレンジへと調べると、蓮華寺は中野区内で哲学堂の近くと分かった。最寄り駅として、大江戸線落合南長崎駅もあり、駅を挟んだ反対側の豊島にマンガミュージアムトキワ荘が再建されたと知った。

 新青梅街道を歩く 大江戸線を都庁前駅で乗り換え落合南長崎駅に降りた。構内地図で確かめ、新青梅街道へ出てスタート。住宅街と思うが広くはない舗道の両側には商店が続く。初めての地で持参地図と町名が頼り。15分程過ぎ左手に野球場の高いネットが見え、哲学堂公園。次の交差点手前に蓮華寺の案内があり、小路の坂道を上がると蓮華寺であった。
 蓮華寺 本堂前で軽く手を合わせ、境内に句碑と塚を探す。中心部に芭蕉翁と刻んだ石碑があり(写真上)、芭蕉塚。塚とは盛土のものと思っていたが、石碑も塚というと知る。肝心の句碑が見付からない。境内をウロウロしたが、結局は芭蕉塚隣の石碑と推測しカメラに収めた。刻まれた句は“初しぐれ 猿も小蓑を ほしげなり”とある筈だが、もう読めない。伊賀越えの山中で初時雨に遭遇した時、1689(元禄2)年に詠んだと知る。帰宅後推測通りと分かった。

 哲学堂 交差点を渡って哲学堂公園へ入り、運動場を抜けて、哲学堂へ。哲学者井上円了が哲学を理解し広めるため、視覚的に表現した五つ程の建物がある。私は再訪で赤色の六賢台(写真中)は見覚えがあった。井上は現東洋大を創立した方で、孫が一年生に在学し、哲学堂や井上のことを知っていた。墓も、蓮華寺芭蕉塚の隣にあった。
 道を誤ってトキワ荘へ 新青梅街道を歩きながら、哲学堂からトキワ荘へ歩いたこと(16.9.28)を思い出し、これが災いし時間を喰ってしまった。いつもの早とちりで、新青梅街道を直進すれば右手がトキワ荘の位置と思い込み直進を続け、山手通りを渡ってしまった。ようやく誤りに気付いて戻り案内板で、手前の左手と分かった。現トキワ通り口を見付け進入し、松葉中華店前を過ぎ、花咲公園の奥にアパートトキワ荘があった(写真下)。

 手塚治虫を中心に、昭和27年から多くの若手漫画家達が暮らし活躍したのがアパートトキワ荘。近くの南長崎にあったが老朽化で壊され、この度この公園に再建され、前回見たミニュチュア通りの古そうな二階建て長屋風のアパートが建っていた。前回、別の場所に一部が再現された寺田ヒロオの部屋を覗き、4.5畳の狭い部屋に机や卓袱台が置かれ、乱雑に酒瓶が立ち並んでいたのを見ている。今回は外からカメラに収め、落合南長崎駅迄歩く気力を失い、公園前のバス停で新宿駅西口行きに乗った。(2022/3/6 K.K. 1435/1500)

◇日時 2022/02/24 ◇天候 晴れ ◇資料 昭文社「東京都市図・21練馬」2004年 ◇歩行距離等 13,000歩 9㎞ 「通過時間等」自宅9:05-大江戸線春日駅9:49-同落合南長崎駅10:20=蓮華寺10:40=哲学堂公園11:00=山手通り11:45=トキワ荘12:10=花咲公園バス停12:20-都電荒川線鬼子母神駅12:40-三田線西巣鴨駅13:03-自宅13:30