證誠寺を訪ね木更津を歩く

 また千葉の順番で、木更津に證誠寺を訪ねることにした。以前から手許のガイドブック(大人の遠足BOOK「證誠寺から海浜公園へ」157頁)から注目していた。先週、山形、仙台から帰り、軽い歩きで丁度良いだろう。事前にスマホで路線検索したら、総武線千葉駅経由が、京葉線より近いと分かった。

 證誠寺の狸がお出迎え JR秋葉原駅へ出て、千葉駅で内房線へ乗り換え木更津駅に降りた。駅前案内所で市内マップを貰い證誠寺への道順を尋ねると外へ出てわざわざ、みまち通り入口を案内してくれた。こんなことは初めて。早速證誠寺の狸デザインのアーケードが迎えてくれた。小さな商店街を過ぎて八劔八幡神社。頼朝が寄進した社殿という。石橋山での旗揚げに失敗した頼朝は一時内房安房に逃れたが、その時の縁だろうか。参拝し、寺を目指すも左折地点を誤り、大回りし裏から證誠寺境内へ。

 狸やぽんぽこりんの童謡で、寺名だけは子供の頃から知っていた。古刹だろうが、意外にこぢんまりとした寺。本殿へ参拝し、狸塚へ。昭和9年築造の案内に、後付かと思いながらカメラに収めた。手前に童謡碑があった(写真上)。野口雨情作詞(大正14年)、中山晋平作曲で、全国的に歌われている。現在では市街地の一画で、狸が出現するような地ではないが、江戸から明治の期の頃なら狸も住んでいたのであろう。 境内を巡りながら、私は、子供の頃ラジオから聴いた外人(1955年米人アーサー・キット)の唱う狸林の歌を思い出した。独特のメローディーと歌声が耳に微かに残っている。

 見染めの松、木更津甚句碑 寺から市街中心の大通りへ出て、海方向へ行く。右手に木更津港が見え始め、海岸通りは椰子の並木だが葉の半分は枯葉のよう。当地では寒いのだろう。見染めの松へ立ち寄り案内を読むと、あの与三郎とお富の逢い引きの地だったという。芝居の話しかと思っていたが、木更津が舞台の実話だったのだろうか。市内の寺には与三郎の墓の案内もあるが、私には、春日八郎が唱った”お富さん”だけである。

 直ぐ先が、木更津甚句の碑。この甚句は、当地出身噺家が江戸の高座で披露し広がり、地元へ逆戻りし、唱われたという。芸者二人が踊る像である。先程市内で見番前を通り、今時珍しいと思った。木更津は、江戸との舟運の拠点として発達し当地には商家が多かったようで、その名残なのだろう。この甚句には少し思い出があり、若い頃、宴会で必ず唱う上司がいて、木更津出身でもないのにと思っていたが、少し納得である。

 富士見橋を渡り、潮浜公園で休憩。本日は曇りで、富士山も、対岸の丹沢の山々も曇の陰である。復路には、また市街地にある弁財天社に立ち寄り、みまち通りで各店の狸像を確かめながら(写真下)、駅へ戻った。(2018/12/31 K.K. 1229/1300)

□日時 2018/12/13 □天候 曇り □交通費 青春18切符1 □歩行数等 13,000歩 9km □資料 大人の遠足BOOK「證誠寺から海浜公園へ」るるぶ157頁

「通過時間等」自宅8:25-JR巣鴨駅9:00-同秋葉原駅9:20-同千葉駅10:15-同木更津駅11:05=八劔神社11:10=證誠寺11:20=見染めの松11:40=木更津甚句碑11:45=潮浜公園11:55=弁財天社12:25=JR木更津駅12:59-同千葉駅13:40-三田線水道橋駅14:40-自宅15:20