羽州路に紅花を眺め、象潟に芭蕉を辿る

秋田での行き先は、男鹿半島や角館があるが若い頃一度訪ねている。象潟は未訪で一番の候補地だが、アクセスが良くない。秋田新幹線でも秋田駅経由だし、新潟駅からは羽越本線で北上だが遙か先である。実家帰省を利用し、象潟を目指すことにした。それでも、新庄駅、余目駅で乗り換え約3時間掛かる。朝7時前に駅へ送って貰った。

 鳥海山から象潟 酒田駅で秋田行きに乗り換えた。鳥海山の裾で日本海沿いに電車は走る。私は高校時代吹浦駅迄は来たことがあるが、その先は初めての地。出羽富士鳥海山は大きく、海側へ長く裾を引いているのが先程庄内平野から見えた。羽後秋田へ県境を越してその裏側へ入り、山姿は益々大きくなった。思ったより海は離れ海岸縁ではない。象潟駅に降りたのは2人で、私は、駅前案内図で、九十九島と蚶満寺へのルートを確かめ、市内へ。大通りを右折し踏切を跨いだら、九十九島が広がり、右手にはまた大鳥海山が聳えている。 芭蕉が訪ねた時(1689元禄2年)は入江の浅瀬に浮かぶ小島群の名勝地だったというが、その後1804(文化元)年地震で隆起し、水田の中に松がある塚山のようである。カメラに収めたが、鳥海山上部には雲が掛かり、残念。
蚶満寺は見えない。地元の方に尋ねたら未だ先で、線路沿いに回り込むと、古刹の広い境内であった。参道左手に芭蕉像が建つ(写真上)。芭蕉は、羽前山形の羽州街道を歩き、新庄先の本合海からは舟で最上川を下り、羽黒山、月山に寄り酒田を経て羽後の象潟であったと思う。奥の細道最北の地で、”象潟や 雨に西施が ねぶの花”と詠んだとある。シャッターを切り、山門から本堂前へ進み、参拝した。参道からの風景が九十九島らしく(写真下)、またカメラを向けた。秋田行きの特急には間に合わず、次の新潟 行きの特急へと予定を変更し駅へ戻った。

 紅花畑、羽州街道六田宿 前日、同級生で本記録の読者Aさんに、天童紅花まつりから羽州街道六田宿を案内して貰った。山間の畑に紅花は咲き始めたばかりのよう。カメラを片手に紅花の間を巡った。本場山形の紅花は初めてだが、以前桶川で見た花と同じものが一面栽培され黄色い花の中に、ぽつりぽつりと赤味の濃い花が混じる。満開を迎えたら、全体が赤味を帯びるようだが少し先か。
市内を貫く羽州街道、現国道13号を天童から東根へ向かって貰う。途中神町の松並木で止めて貰い、5本程の松並木をカメラに収めた。東根四谷付近にも松並木はあったが一本のみになってしまった。そして六田へ入った。芭蕉が尾花沢の鈴木清風宅滞在中、山寺立石寺へ往復したのが紅花が咲く羽州街道で、六田宿での芭蕉の記録も残る。その縁で、芭蕉像と石碑があり、その時詠んだ、”まゆはきを 俤にして 紅粉の花”の句が刻んであった。Aさんお世話様でした。お昼と麦酒もご馳走様でした。また感謝です。(2018/07/28 K.K. 1198/1200)

□日時 2018/7/3 □天候 晴 □交通費 大人の休日倶楽部パス2 □資料 日本海きらきら羽越観光圏推進協議会「象潟駅」、「第31回 おくのほそ道天童紅花まつり」 □歩数等 11,000歩 8km
「通過時間等」実家6:40-JRさくらんぼ東根駅7:16-同新庄駅8:12-同酒田駅9:35-同象潟駅10:15=九十九島能因島10:20=蚶満寺10:40=JR象潟駅11:27-同新潟駅14:13-同上野駅16:00-三田線巣鴨駅16:19-自宅16:50