大糸線から親不知を訪ねる

久しぶりに白馬でOB会があり、出席した。私はハイキング目的で、これまでも塩の道や栂池高原、そして八方尾根を歩いたことがある。今回は何処にしようかと、JR全路線図を眺めていたら、白馬駅から親不知駅が近いと知った。大糸線で糸魚川駅へ出るルートである。偶々青春18切符があり、JR西日本路線も乗車可能で好都合である。

 大糸線で糸魚川へ 朝、白馬駅7時前の大糸線南小谷行きに乗車した。昨夕、参加者Bさんから親不知は未訪で行ってみたいと聞き今朝確かめ、同行が決まった。旅は道連れで、1人よりは心強い。北小谷駅からはJR西日本であり、信越の県境。深い山中となり、姫川渓谷内に鉄道と道路がへばり付くように続き、駅前に小さな集落がぽつんぽつんと見えるだけ。水力発電所があり、当線は発電所用かなとも思えた。糸魚川が近付き山地を出た筈だが狭い地で、それを大きな化学工場が占めているようだ。

遠い親不知 糸魚川駅で冨山の泊行きに乗り換え、日本海沿いに走り、二つめの親不知駅で下車。無人駅で、期待した親不知の情報は得られず、道の駅広告看板から想定し、歩き出す。左は高い山、右には海が迫り、狭い間に高速道、鉄道、現国道と、我々が歩く旧道が並行し(写真上)、新幹線は山をくり抜いてトンネルのよう。30分程で高速道下の道の駅に着き、案内所にも親不知のパンフはなく、壁の絵図のみ。Bさんじっくり調べてくれた。有名な親不知の断崖絶壁は未だ先で、是非眺めたいと思い、国道8号の端を行く。大型車の往来が多く、坂道のトンネル内は怖い位。三つ目のトンネルを抜けると、展望広場があり、ようやく天下の険親不知を眺め、写真でしか知らない断崖の絶景を確かめ、望遠にしてシャッターを切った。崖は海へ切れ落ち歩く余地はないように見える(写真下)。

断崖の真上へ Bさん、正面に見える崖上迄行くという。20分程度かなとまた坂道を上がり続け、大きくうねるとホテル前に出て、その裏に展望舎があり真上の筈だが、薮で絶壁や海岸は見えない。山側の一枚岩に明治18年国道開設の喜びを表した”如砥如矢”(砥石のように滑らかに矢のように速く通れる)と刻んであった。芭蕉も、象潟から戻り当地を通ったが、親不知の句はない。やはり、波間を通過するのに精一杯だったのだろうか。

“能鷹”に出会う ホテル食堂で休憩にお茶でもと思い覗いたら、未だ閉店中で、タクシー会社の電話を教えて貰う。当地は親不知駅と次の市振駅の中間と知り、親不知駅へ戻った。直江津駅で北越急行に乗り湯沢駅へ出て、新幹線のBさんと別れ、私は、青春18切符に徹し、鈍行で水上駅、高崎駅、そして赤羽駅へと乗り継いだ。直江津駅で昼飯の際、地酒”能鷹”を見付け思わずゲット。娘が、一時期越後高田で仕事したことがありお土産に買ってくれたのが同酒で、美酒であった。車中メールしたら、覚えていた。Bさん同行有り難うございました。(2018/09/22 K.K. 1210/1300)

□日時 2018/9/2□天候 曇り後晴 □交通費 青春18切符+2,900円 □歩行数等 16,000歩 11km □資料 「国名勝・天下の険 親不知」
「通過時間等」ホテル6:30-JR白馬駅6:56-同南小谷駅7:39-糸魚川駅9:03-親不知駅9:15=道の駅9:35=高速道IC出口9:50=展望広場10:25=ホテル裏展望舎10:45/11:20=親不知駅12:06-直江津駅13:52-JR越後湯沢駅15:08-同水上駅15:52-同高崎駅16:59-同赤羽駅18:41-三田線新板橋駅18:58-自宅19:25