北陸越前に大野城跡を訪ねる

以前から越前大野城跡は注目していた。最近霧に浮かぶ天空の城として紹介されているが、私には城跡見学が先である。しかし、北陸福井の山中大野は遠く、中々機会が来ないと思っていたら、事務所旅行が今年は北陸で、小松空港行き航空便で北陸へ入るという。これはチャンスと初日は自由行動を希望し、アクセスを調べ準備した。

バスで越前大野へ 小松空港からJR福井駅行きバスに乗車。 同駅からJR越美北線の予定であるが、発車まで約1時間あり、立ち寄った駅前案内所で5分後にバスがあると教えて貰う。見学時間が増えると急遽バスに変更。当地は二度目で、数年前、大野市手前の一乗谷朝倉館を訪ねた時も往きは福井駅からバスであった(11.5.21)。郊外から山中を進みバスが山を抜けると、目の前に盆地が広がった。遠野市や高山市、栃木烏山でも似たような風景に出会ったことを思い出した。大野市中心でバスを降り、城跡のある亀山を確かめる。通りには商店街が形成され当地方の中心なのだろう。亀山麓の柳廼社(やなぎのやしろ、後に藩主土井利忠を祀ったと知る)境内から山上の城(写真上)を目指す。
大野城、大野藩史 大野城は、戦国期の1580(天正8)年、信長より当地を拝領した金森長近が築城した平山城。明治になって取り壊されたが、1968年鉄筋コンクリートで再建された模擬天守という。見所は石垣で、築城当時の儘で野面積みとある。紅葉が混じる林の中坂を上がると石垣が現れ出した。天守閣下に着き、やはり石垣は不揃いで野面積み(写真中)。見上げてカメラに収めた。この石垣は金森時代のもののようで、崩れず500年も持つとは凄い。二層三階の天守内は史料館だが、先ずは360度展望の最上階で、山に囲まれた大野市内を眺める。展示資料を観て驚いた。江戸期初期より、大老の土井利勝の子孫が4万石で藩主を承継し、後期の土井利忠時代には、藩校洋学館を設置し蘭学から西洋医学を講じて諸藩より勉学に多くの者が来藩し、物資販売に江戸や大坂等に出店大野屋を設け、また幕末には大野丸という舟を建造し蝦夷との交易や樺太開拓にも乗り出したとある。先程坂の途中に帆船の石碑(写真下)がそれだった。江戸時代の越前も山奥の小藩のことである。これらの藩史を初めて知り、藩主の識見の高さにビックリし、感心である。
越美北線で宿泊先へ 小さな天守閣を出て、また石垣を眺めながら天守台を一回りし、防火用水お福池から坂を下ると藩主土井利忠の銅像が建っていた。大野丸石碑前を過ぎて百軒坂を降り、藩庁跡・現グランドへ出た。バスのお陰で、当地見学時間に余裕が出来、近くにある日本100名水御清水に寄り、横道へ入り歩くと、江戸から続くような商店造りの店が並んでいた。
越美北線大野駅から福井駅経由で、今夜の宿泊先山代温泉へ向かった。     (2016/12/05 K.K. 1071/1100)

○日時 2016/11/18 ○天候 晴 ○現地交通費 4,310円 ○資料 東京堂出版「城郭みどころ事典・東国編 越前大野城」2003年220頁 ○徒歩距離 9km 13,000歩
「通過時間等」自宅7:10-羽田空港9:26-小松空港10:55-福井駅前12:05-大野市六間通り13:05=柳廼社13:15=天守閣13:30=百間坂14:05=御清水14:20=JR大野駅15:18-同福井駅16:12-同加賀温泉駅17:00-宿泊先17:20