ワイキキ海岸から、高層ホテル群の先に聳える岩峰を眺めて、意外に険しい山に見え、予想とは違うのではと思った。ダイヤモンドヘッドは30分程度で登れる山との情報であった。夕方のパーティで、既に登頂したという先発組の同僚がいて、結構難儀したと話してくれた。
登山ツアーに参加 ハワイ到着二日目、登山ツアーに参加した。ホテルから迎えのバスに乗り、一行約20人、途中の公園でこれから登る山をバックに記念撮影をした。バスはカハラトンネルを潜り、登山口に到着。火口の真ん中だ。ダイヤモンドヘッドは、火山が爆発して出来た外輪山の最高峰で、太平洋に突き出ている。ぐるりを円形状に岩山で囲まれた火口部分は平原となっている。ガイドの注意を聞いていると、突然雨が降り出した。当地の雨は15分程度で必ず止むとガイドが言い、そのとおりであった。
ダイヤモンドヘッド頂上へ 傘を取り出して歩き出す。気候は冬であるらしく、植物は枯れた状態で、噴火口の中は月世界を思わせる。10分程度で舗道が終わり、登山道に入る。立派な山道だが所々磨り減ったように抉れている。人気の山で上下の往来が激しいのだろう。本日も大勢の観光客が頂上を目指している。既に下山するグループとも擦れ違う。葛籠折れを数回繰り返すと、見晴台に到着。太平洋が覗けた。20世紀初期以来、この山は沿岸防衛用の軍事基地として重要な役目を果たし、そのために作られた道やトンネルを登山に利用しているという。現在でも、登山口には立入禁止のレーダー基地があり、地下には対ソ連戦に備えた核シェルターが設けられているとガイドに聞いた。
トンネルに入り、足下の小さな灯りを頼りに進む。約50m程で外へ出た。今度は急階段に出会う。99段というが、最後は少しばててしまった。山頂下の地下壕を螺旋階段で上る。軍事基地というよりは、要塞のような施設だ。第二次大戦時には日本軍捕虜が閉じ込められていたと先ほどガイドが話したが本当だろうか。トーチカから這い出るように外へ出て、回り込んで最後の階段を上がると頂上(230m)で、予想どおり、歩き出して僅か30分を少し超えただけだった。
太平洋を眺める 砲台跡の山頂展望台は360度展開していた。中でも太平洋は圧巻で、広い、大きいを超えて、唯目を凝らして眺めているだけ。人間の眺望範囲は何処でも同じであろうが、これだけ左右のみならず遙か彼方へ広がる海の風景は初めてだ。眼前、眼下にはうねる青いエメラルドの大海原が果てしなく続いている。これが大洋というものだろう。右手のワイキキ海岸とホノルルの街は小さく見えた。狭い山頂は混み合い、僅か数分大パノラマを楽しんで惜しみながらも、新たな登頂者と入れ替わった。
同じルートを下って登山口から迎えのバスに乗り、ツアー会社発行の登山証明書を貰い、市街地のホテルに戻った。カハラトンネルを出た地点で、海を眺めながら、太平洋の遙か先に浮かぶ火山を遠望できる日もあり、日本の富士山より高いと運転手が説明してくれたが、日本語であった筈だが正確に覚えていないのが残念だ。
翌日は、潜水艇で海底散策をした後、バスを乗り継いでハナウマ湾に出掛けた。海辺の台地に立つと、溶岩が落ち込んで出来た入り江がハッキリと見取れ、砂浜で遊ぶ海水浴客は遙か下方であった。(03/11/2)
追 記 所内の旅行先がハワイであった。私は、ワイキキ海岸ではなくダイヤモンドヘッド登山に参加した。頂上部分は軍事基地跡であった。頂上から眺めた太平洋は広く、遠くその名の通りであった。南方にはニュージランド方面の島々も見える時もあるという。その数年後太平洋ロタ島も訪ねた。(08/11/23 133)

