私が登った百の名山&低山=東北編=「高山の様相を呈した葉山に登り、ブナ林を下る」

 山形へ帰った機会に葉山へ登った。首都圏のハイカー達には村山葉山と呼ばれて知られた山である。小生にとっては、隣町にあり、月山前哨の山として、故郷一帯に覆い被さるような山姿には子供の頃から慣れ親しんでいた。麓に住む年上の従兄弟が記した青年時代の登山紀行を読んだ記憶もある。

 十部一口から 葉山(1,641m)は山頂下には池塘が点在し、雪渓が残る高山並の山であるが、登山口から1時間強で山頂というハイキング程度であった。数ある登山口から十部一口を選んだのが幸いした。十部一峠からは肘折温泉が近い。それにも増して、ブナ林が美しかった。東北の山特有の山毛欅の美林が麓から尾根筋まで広がっていた。その下を癒されながら上り続け、また登山口へと下った。   
 北の山には未だ躑躅や木蓮、シャクナゲが咲き、ドウタンの花が垂れていた。そんな中、同行をお願いしたY君と上った。彼には、御所山、甑岳、月山も付き合って貰った。

 美しい山毛欅林 十部一口の荒れた沢から山毛欅林になると尾根筋となり、緩い坂をひたすら上り続けた。人気の山のようで、登山口には10台前後の駐車があり、また、既に下りの2,3のグループと交差した。しゃくなげ平に上がり右手に見えた山が頂上と見当を付けた。まっど沼を過ぎて、足下にはゴセンタチバが咲いている。どうたん坂をこなし、最初の池塘を見た。左手には肘折コースもあって、復路のため下り口の目印を確かる。直ぐ葉山神社奥の院へと飛び出し、山頂かと思ったら、休憩中の夫婦がもっと先と、指をさしてくれた。ここからは単身で山頂を往復。Y君は疲れたのであろうか。そんな風には見えなかったが。

 奥の院、山頂 やや歩きにくい灌木地帯を斜行して、頂上到達。周囲が木々に遮られた狭い一画で、先行グループが昼食中。記念に標識を写してUターン。ここで右手下に雪渓を見た。池塘、山の内コース分岐を経て、奥の院に戻る。無事登山と家族やぽんずの健康をお願いする。
 昼食後下山開始。お握りは実家の義姉が持たせてくれた。低木の藪中を過ぎて、ブナの木の下で見事に転んで左手を打ってしまった。一瞬折れたかなと心配したが、腫れもなく指は動き、痛みだけ。捻挫程度で済みラッキーとしか言いようがない。昨夜来の雨の影響で、泥状の下りに足を取られてしまった。要注意の場所なのに油断していたことも確かだ。その後は順調に下って登山口へと着き、麓へ続くぶな林を眺めながら林道を1時間程歩くと、車を停めた場所、十部一峠であった。

 同級生の蕎麦屋へ 帰郷の序で念願の葉山に登り、良い山行となった。しかし、反省材料もある。下調べが不十分で、深い山中に登山口を探すのに時間を要した上に、登山口の大分手前に駐車してしまい、更に登山口まで約1時間歩き時間を喰った。また靴が履き古したウォーキングシューズであったため、下りでは滑って転倒してしまった。しかし無事下山出来た。Y君に感謝する。帰途には、同級生の営む蕎麦店に寄り、自慢の手打ちと季節のジュンサイをご馳走になった。(2009/7/5 18/100) 

追記 葉山も子供の頃から毎日眺めた山である。しかし隣町の西方も奥で、登山迄は思い浮かばなかった。それが実現した。登山口迄往復運転してくれたY君のお陰である。下山の際滑り転んで左腕打撲してしまった。一か月前後痛みがあったのを覚えている。打撲で済んだのが幸いであった。
麓に住む年上の従兄から今年も賀状が届き、健在と知った。卒寿も近い。