私が登った百の名山&低山=東北編=「風雨の中で頂上を間違えた安達太良山」

 第1日 JR上野駅新幹線ホームに着き、8時42分発のつばさで出発。10時JR郡山着。在来線に乗り換えて二本松に向かう。途中、車窓から安達太良山が見えた。白い点が雪とメンバーの一人が言うが、皆否定的 (後に残雪であることが判明) 。

 塩沢温泉登山口スタート 二本松から塩沢温泉行のバスに乗る。バスは、緑の林の中を走る。清々しい限りで、今が、緑が一番きれいな時であろう。ちょうど12時に塩沢温泉登山口に到着。靴の紐を締め直して出発。馬返し、金剛清水と順調に進む。緑の林の中では、小鳥の鳴き声しきり、ジージーというのは蝉の声か。三階滝を右下に遠望できる地点を通過。登山者は少なく、めったに会わない。
 屏風岩に到着し、休憩して見学。岩の頂上から下を覗くと、まさに断崖、真下の谷川の清流が透き通る程で眩しい。すぐに八幡滝到着し、大休憩。Mさんが谷川の水が硫黄臭いという。谷川を右に左に渡り返し、天狗岩の下を通過。突き出た岩が天狗の鼻ということだろう。鎖場があったがたいしたことはない。登るに従い、段々道が狭くなり、荒れていて間違いそうな所にも出会う。天狗平着。谷川の水が酸っぱい。やっぱり、硫黄が入っているのだろう。林を抜け視界が開けて、高峰が目前に迫った。鉄山か。ようやく小屋が見えた。堂々とした山荘風の小屋だ。

 くろがね小屋泊 15時30分過ぎ、くろがね小屋到着。小屋では、入浴可能で、しかも温泉。早速汗を流す。寝る前にもう一度入る。入浴後、外で自然を見ながら,ビールで乾杯。景色、疲労、水、満足感が混じり合って、ウィスキーが旨い。タ食はカレーだ。こんなにおいしいカレーは久し振り。19 時頃就寝。

 雨の中山頂へ 第2日 朝起きたら、天気は一転して雨だが、たいしたことはなさそう。5時30分朝食後、6時30分に出発。雨具、ザックカバー、スパッツが早速役に立つ。瓦礫の岩山を登る。すぐそばで、鴬がきれいな鳴き声を聞かせてくれる。イワカガミはじめ高山植物が美しい。次第に、雨、風が激しくなり、視界が利かず、標識のみを頼りに進む。7時30分頃、回りから見て一番高い所、すなわち頂上に到着。記念写真を写したが、何らの標識等もなく、どうもおかしい。ちょうど登山者がそばを通ったので尋ねたところ、頂上はまだ先という。

 登頂 ようやく、8時頃に頂上(1.700m)に着く。標識のみならず、三角点、神社等があった。再度、記念写真を撮る。しかし、視界はなく、展望は零に近い、残念。
 風南が激しく、すぐ下山開始。赤土の所で滑るも、鎖につかまっていたのですぐ止まる。でも気を付けなくてはと、慎重に下る。雨の中、高校生とおぼしき一団が勢い良く登って来るのに出会った。登山競技中とのことで、大変だ。雨が降り続く。雨具を通して浸み込み、中までびっしょりとなる。

 奥岳温泉へ 五葉松平で小憩後、道が良くなり、程なく、奥岳温泉から出ているリフトの上駅に到着。雨宿りをして休憩し、あまりの冷たさに、下着等を着替える。
 リフトが動き出して下まで降り、下駅そばの奥岳温泉富士急ホテルで温泉に入る。温泉は、午前中なのに、同じような濡れた登山者で一杯。それでも温まり一息を入れた感じ。タクシーで二本松駅へ。郡山駅へ出て、新幹線で一路上野駅へ。東京も凄い雨。上野で焼肉を囲んで反省会。
 今回の山行では、経路を変更し、第1日に奥岳温泉からリフトで上がり頂上に立っていたら良かったのではという話が出て、天気予報で経路を変える場合も有り得る、という反省をした (第1日の小屋到着直後登頂へのMH提案の重要性がようやく分かった。)。雨で、頂上等での展望は皆無であり、雨中を下ったが、全然楽しくなかったということはなく、またぜひ登りたいと思う。(94/6/18,19 21/100)

追記 深田百名山安達太良山へと福島遠征登山であった。この頃百名山を意識していたと思う。当山へは再度チャレンジしたがその時も雨であった(06.7.1)。いずれも梅雨の時期では致し方ない。当山の思い出は雨だけである。その後、登山ではなく、山歩きや里歩きが中心となった。先日東北自動車道で帰郷する時、二本松付近で、青天下、雪を抱く安達太良山を遠望した。