私が登った百の名山&低山=東北編=「憧れの白神山地ブナ林西目屋髙倉森を歩く」

 白神山地ブナ原生林を行く 私の白神山地ハイキングは津軽峠(650m)から始まった。マザーツリーと呼ばれる樹齢400年山毛欅の大木は峠近くにあり、同じバスで山へ入った全員、ブナの古木を見上げカメラに収めた(写真上)。途中で分かれた高倉森コースへ進んだのは私一人で、踏まれた緩やかな上りの道である。
 直ぐブナ林の中となり、次々と目の前に表れる大木や林立する木々をシャッターを切りながら、進む。最初はこの程度は故郷の御所山でも見た林程度と思っていたが、行けども、行けども途切れることなくブナ林が続く。それも古木や大木、小木が混在し不揃いや林にも粗密がある処が自然で、原生林の故だろう(写真中)。歩きながら大木に触れるとブナの樹表面はやさしく柔らかだが、古大木の樹皮はひび割れ状態でそれだけ風雪に耐えた証明であろう。

 津軽富士を遠望 山道は平坦で歩き易いが、時々は崖端もあり、左側が落ちている。深い森の中、鳥の囀りの外は誰も見当たらず標柱だけが頼りだ。林が切れて振り返ると岩木山が見え、津軽冨士に相応しい山容である(写真下)。先程谷底に残る雪を見たが、今度は目の前に残雪が現れ恐る恐る乗ったが未だ固く無事通過出来た。
 平らなコルに着いて、丁度12時を過ぎ休んで昼食とする。座った先の樹林の間に高峰が覗ける。秋田側で、白神山であろうか。

 一転して難路 高倉森(829m)は直ぐ先。再度津軽冨士を振り仰ぐとコースは一転した。山路は狭まり、しかも急降下で、最近歩いた形跡もない。下りに備えストックを出したが、張られたロープと併用し、一歩一歩慎重に下り続け、両側が切れ落ちたヤセオネも通り抜ける。坂道を脱した地点で路が薄くなり、目を凝らし踏み跡を追ったが一度は沢へと迷い込むも気付いて、コースを回復。

 ようやく下山へ 標識で下山口まで2kmを切ったと知ったが、未だ山中は深い。またブナの大木に出会い見上げながらデジカメを向けた。駐車場への案内がありようやく出口が近いことを知る。ここからも簡単ではなかった。ブナ林の下の小径は更に狭くなり、これに急な下りの坂が重なる。ストックを使いながら疲れた脚を進めると、車のエンジン音も聞こえ初めた。左右に振られた坂道を下りると暗門大橋の袂であった。
 資料ではコースタイム210分とあり、それ以上を見込んでいたが180分、3時間で歩き通した。健脚向きコースとある。前半の津軽峠・高倉森往復が一般コースで、それで前半と後半の道に踏まれた程度に大きな差があることに納得した。
 今朝弘前で、暗門の滝へのコースは閉鎖中と知り、当地宿泊キャンセルも考えたが、翌日も白神山地ハイクを楽しむことにし、橋から近い今夜の宿泊先アクアグリーンビレッジAMONへ向かった。(2012/06/16 7/100)

追記 ブナ林は壮大であった。さすが世界自然遺産である。しかし、マザーツリーは、2018年の台風21号により、地上から9mのところで折れてしまったようだ。翌日は白神山地暗門ブナ林コースを歩いた。眺めた岩木山や八甲田山は登っていない。青森は遠く、五能線十二湖や竜飛崎に代えてしまった。でも、奥入瀬渓谷は歩いた。