紀伊みなべ温泉を8時に出発。いよいよ熊野古道中辺路ハイキングで、予定では、滝尻王子に寄り、前半は牛馬童子から近露王子、後半は発心門王子から熊野本宮大社、大斎原へバスで移動しながら歩く。全コース歩き通したいがツアー参加では止むを得ない。しかも初心者コースである。Kさんも準備怠りない。
滝尻王子へ バスは海岸通りから紀伊山地へ向け富田川沿いに走る。中辺路に入り、車窓からも稲葉根王子等が窺えた。王子は、神や仏の像を祀った巡礼路の中継地で、位置や距離を示し休憩ポイントで、99あるという。中辺路の滝尻王子に着き、バスを降り参拝し、展示館を見学してガイドから熊野古道の説明を受けた。滝尻王子は事前に資料から何回もチェックした中辺路の中心ポイント。多くはここから歩くが、我々は更に奥へバスで入り、牛馬童子口から古道を歩く。
箸折峠を越す ガイドに案内され箸折峠コースに取り付き、牛馬童子口から杉林の中の狭い山道を上がると旧道と交わり広い道となる。杉林の中を進む一行は、テレビで観る古道のシーンのようではあるが今一雰囲気が違う気がする(写真上)。一里塚を過ぎ峠上へ出て、牛馬童子。牛と馬が横に並んだ石像があった。石畳もある峠を下る。ガイドの話では、このコースは楽な姫コースと呼ばれ、省略した滝尻王子からは急登が連続し10km歩くのに5時間も掛かる難コースという。私の調べでは少しオーバーかと思う。峠から日置川の橋を渡って近露王子であった。
発心門王子から本宮大社へ 車内でお握りを食べ、バスで先回りし発心門王子から再び歩くという古道のキセル。我々が省略したのは山中の古道で(写真中)、ここから本宮大社へは下りの道という。水呑王子を経て山村風景を眺めながら伏拝王子で休憩。当王子は大社社殿が見下ろせ拝んだ地という。また杉林の山中を下り続ける。我が一行の約7割は熟年女性。元気があり先頭を行くが、残りの男性群は最後尾に付いている。山を下り祓戸王子で、直ぐ本宮大社。家津美御子(ケツミミコ)大神を祀る本殿の外、神殿が並ぶ(写真下)。熊野三山の代表で、平安時代から皇族や貴族達を参詣に駆り立てた総本山。京都から33回も詣でた上皇もいたという。深い紀伊山中を巡礼し聖地に辿り着き、自ら再生を求めたらしい。私も本殿から参拝し、家族の健康等をお願いする。境内は古道と違い人出もあり、参道石段を降りると広い門前町であった。
本宮大社と熊野川 日本一の鳥居下から大斎原へ。本宮大社は当地にあったが、1889(明治22)年の大水害で流され、現在地に移築されたと知る。直ぐ隣を熊野川が流れ元中州内。ガイドは、源流は大台ヶ原で、日本で屋久島の次に年間雨量が多い山と説明。皇族達は川を利用し次の速玉大社へは舟で下ったという。歩き終えバスで今夜の宿、串本へ。車窓から熊野川が見え、現在はほんの一部を流れるが、広い石の河原からは大雨時、増水し激流が走るのが窺える。串本温泉に浸かり、Kさんと麦酒を戴き最終日に備えた。(2016/11/08 K.K 1065/1100.)
○日時 2016/10/21 ○天候 晴 ○ツアー参加費 20,000円(1/3) ○資料 JTBハブリッシング「紀伊熊野古道をあるく」2009年4月 ○徒歩距離 16km 22,000歩、「通過時間等」紀伊みなべ温泉8:00-滝尻王子9:00/9:40-牛馬童子口10:00=一里塚10:10=箸折峠10:30=近露王子11:05-(昼食)-発心門王子12:15=水呑王子12:55=伏拝王子13:50=熊野本宮大社15:30=大斎原16:00=バス駐車場16:30-串本温泉宿泊先18:00