多摩に小野神社、谷保天満宮、府中宿高札場跡を巡る

 今春、多摩の武蔵一之宮小野神社を訪ねた(19.3.29)。この時、多摩川を挟んだ対岸の府中にも小野神社があると知った。いずれも由緒を延喜式内社と称しているという。多摩川の氾濫で流されて、両岸に再建されたらしい。江戸時代多摩の小野神社が一之宮として遇され、それ以来多摩の社が武蔵一之宮として扱われているという。興味が湧き府中の小野神社を訪ねた。

 府中小野神社へ 京王線中河原駅が最寄り駅。同線は何度も往復しているが中河原駅には初めての降車。構内案内図で確かめ、10分程歩き探し当て境内へ入り参拝。古社ではあるがこぢんまりした社と境内である(写真上)。掃除を終えた氏子連であろうか数人屯している。1人が私に近づいて来て、何処からと聞き、延喜式内社とある由緒書きを渡してくれた。私は、対岸の方が一之宮と称しているのではと水を向けたが、現在では双方の関係者に親戚もあり張り合わないと笑った。山川出版社「東京都の歴史散歩下・多摩島嶼」には、“明確な結論は出ていない”とある(同書91頁)。
 谷保天満宮へ歩く 境内を裏から抜け、中央高速道路下を潜り、国立の谷保天満宮へ向かう。当初駅へ戻り南武線へ乗り換えようと思っていたが、地図上から歩ける距離と分かった。NEC工場を過ぎ府中西高付近で出会った府中用水に沿って進む。このまま天満宮へ行けるのではといつもの山勘であったが、大ハズレ。また高速道(インタからの進入路)を高架橋で渡り混乱してしまった。二度尋ね新興住宅街から田圃の中の小径を森へ向け左折し渡る橋が天神橋とあり、一安心。境内へ横から入ると、本殿前は参拝者で一杯。着飾った子供連れで七五三参りと知る。私は、頭越しに手を合わせ、来春入試の孫をお願いした。当社は再訪(98.1.24)だが記憶になく、小社と思っていたが会館や社務所もある立派な天満宮で、縁起には道真公が太宰府へ左遷された時、当地に三男道武公が配流されたとある。

 府中宿高札場跡 南武線谷保駅は近く、乗車し府中本町駅へ。谷保駅で飲み屋街を覗くのを忘れてしまった。私の愛読書の作家山口瞳のたまり場で、作品もある。府中本町駅前の広場は国府跡で、また家康の御殿跡という。遺跡はないが立ち寄り、直ぐ先の大国魂神社へ。先の小野神社を含む六宮を合祀する武蔵総社で格上の社。私は数度訪ねている。こちらも七五三参りで大混雑。
 神社前を左折し旧甲州街道へ。次の交差点が川越街道、相州街道と交わる四辻で、高札場が今も遺る(写真下)。高く大きな高札場に驚きながらカメラを向けた。反対側が蔵造りの酒屋で、一度眺めたことがあるかなと思っていたが、初めて。また参道へ戻り欅並木を往復し、京王線府中駅へ上がった。欅の紅葉には速かった。(2019/11/30 K.K. 1297/1300)

◇日時 2019/11/10 ◇天候 晴 ◇交通費 760円 ◇資料 山川出版社「東京都の歴史散歩下・多摩島嶼」1992年、JTB「大人の遠足」54頁 ◇歩数等 15,000歩 11km 
「通過時間等」自宅8:50-都営線神保町駅9:35-京王線中河原駅10:25=府中小野神社10:35=谷保天満宮11:25=JR谷保駅11:45-同府中本町駅11:55=国府跡12:00=大国魂神社12:05=府中宿高札場跡12:15=欅並木12:30=京王府中駅12:59-大江戸線西新宿駅13:35-三田線春日駅13:48-自宅14:10