中山道奈良井宿から鳥居峠を越す

中山道の宿場と言えば馬籠や妻籠だが、これらの宿場を歩いた後、奈良井宿も馬籠などに引けを取らない宿場街が遺ると知った。資料を眺めその内にと考えていた。そうしたら長野の家内実家からいとこ会の案内が届き、上田の鹿教湯温泉開催とある。この機会にと調べると、奈良井からは松本、長野を経由すれば集合時間ギリギリのようである。

 奈良井宿にびっくり 新宿発8時丁度のあずさ2号を塩尻駅に降りると寒い。想定していたがその通りで、用意した防寒対策をし中央西線に乗り換えた。木曽峡谷の隘路を走って奈良井駅に着き、11時15分スタート。奈良井宿、鳥居峠、藪原宿へと歩き、藪原駅から木曽福島駅へ行き15時の特急長野行きに乗車する。
駅の左手直ぐが奈良井宿場街。江戸期の宿場が山中に忽然と現れたような街で、木造の古い商家や宿屋、個人宅が狭い通り両側に並んでいる(写真上)。それが隣り合い密集して宿場街を形成し、約1km続くという。土産店や食堂、旅籠の外、漆器店が木曽路らしい。驚きながら、眺め、シャッターを切り続け、先へと急ぐ。途中の観光案内所で、薮原迄は徒歩3時間と聞いた。事前調べと同じ。

鳥居峠を越す 宿場街も終わり、高札場、鎮神社前から坂道となり、いよいよ中山道の難所鳥居峠に掛かる。石畳の道から展望台下、葬り沢、そして中の茶屋跡を過ぎると本格的な峠の上り。当地は紅葉は終わっている。先程来会う人もないが本日は平日であった。小さなジグザグをこなし、一里塚を過ぎるが標柱の路程表示が区々で、峠への距離が読めない。道路へ上がった地点で、外人一行と擦れ違い挨拶。休憩舎が峠の茶屋跡らしく、切通を抜けると、鳥居峠の頂(1197m)で、約1時間であった。正面に雪を被った高峰が見え、御嶽山か。小憩し、ここからは藪原駅へ直行し1時間前の電車を捕まえようと、予定変更を決断。神社や史跡は省略し、薮原への坂道を急ぐ。落ち葉を踏みながら下り切って石畳の道となり、薮原は近いと分かり、予定より1時間前の電車乗車を確信し始める。林を抜け大通りを横断し、天降神社、原町清水を眺め、集落内の坂を下って尾張藩御鷹匠役所跡、飛騨街道追分跡を過ぎ、中央西線高架下を出ると薮原宿であった。

黄楊の櫛屋さん 奈良井宿とは違い、昭和の街並みに古い町屋が点在する程度。その中に黄楊の木櫛屋さんを見付け(写真下)、またビックリ。私の好きな原田悠里が唱う”木曽路の女”の2番にも出て来て、木曽の特産品である。思わずカメラに収めた。しかし、藪原駅は宿場の外れで、また中央西線地下道を上がるとようやく駅で13時25分着、近道したからであるが、奈良井駅から2時間10分であった。
木曽福島駅発14時25分発長野行き特急に乗れ、長野駅から新幹線で上田駅に降りると、義弟夫婦や家内の従姉妹達と一緒になり、鹿教湯へ向かった。(2017/12/20 K.K. 1152/1200)

◇日時 2017/11/28 ◇天候 晴 ◇交通費 12,600円 ◇資料 奈良井宿観光協会「奈良井宿ご案内図」、「中山道鳥居峠越えコースガイド」 ◇歩行距離 13km 18,000歩
「通過時間等」自宅6:55-JR新宿駅8:00-同塩尻駅10:50-同奈良井駅11:15=鎮神社11:35=一里塚12:10=鳥居峠12:20=同峠口12:50=原町清水13:00=尾張御鷹匠役所跡13:10=JR藪原駅13:38-同木曽福島駅14:25-同長野駅16:18-同上田駅16:30-鹿教湯温泉ホテル18:00