一面満開のお花畑 八ヶ岳の麓、野辺山高原飯盛山(メシモリヤマ)に登った。お花畑に遭遇し、沢山の草花を堪能した。頂上手前、尾根から山頂に掛けて一面に山の花が咲き誇り、記憶できた花だけでも、「アザミ」「ウツボグサ」「ホタルブクロ」「フシグロセンノウ」「マツムシソウ」「アサマフウロ」「クルマユリ」「ウスユキソウ」「クガイソウ」「シモツケソウ」「コウリンカ」「ウメバチソウ」「月見草」「シシウド」など、殆どが帰宅後に調べて名前が分かった花だ。これらが山腹を占領し、赤や紫の花々が乱舞している様を見て、これがお花畑というものかと感動し、下山するのが惜しかった。これまでも夏山で花畑を通ったことは何回もあるが開花中の花は少なかった。中でも、ピンクや紫の「シモツケソウ」や薄紫の「マツムシソウ」は、山頂下から下山途中まで、大群をなして歓迎し見送ってくれた。このような時に限って修理中でカメラがない。「来年また来い。」ということであろうと考え直し、未知の花をスケッチし、メモした。オレンジ色の花「フシグロセンノウ」や濃いピンクの「アサマフウロ」など、初めて見た花が多かった。
小海線で飯盛山へ 飯盛山は、先輩の推薦の山であった。小生が山歩きをしていると知って、数年前お会いした時、良い山だから是非にと薦めてくれた。理由は伺わなかった。そのことが頭にあり、夏休み中に出掛けることにした。前夜調べたが花が見られる山の中には飯盛山の名はなかった。八ヶ岳や南アルプスを眺めことができる360度展望の山のようである。
新宿駅から小淵沢駅までは特急を利用し、小海線に入って清里駅で下車。夏休み中で混雑する駅前から平沢橋を渡り牧場を過ぎる。千ケ滝は次回にしカット。長野県南牧村平沢地区先から登山道に入る。林を抜けて沢のような道を上がって尾根の肩に出ると、飯盛山の頂が正面に見え、また、草原に咲く花々に出会う。肩から頂上までは様々な花を愛でながら道草したため30分も要してしまった。期待した山頂[1,643m]からの展望は雲で遮られ近くの街や麓の山野のみ。
野辺山駅へ下山 心残りはしたがお花畑に別れて、野辺山駅に向けて下り始める。下山路も次々と野の花が現れては楽しませてくれる。平沢峠付近に下りて獅子岩を見物し、ゴルフ場から‘さかさ柏’の木に至る。戦国時、信玄が海ノ口城を攻めた際、陣を張り柏の杖を逆さに突き立てたところ根付いたという。その後は舗道歩きとなり、野辺山駅に出た。近所の少年野球を手伝っていた昭和50年頃、夏の合宿をした地である。駅舎始め駅前周辺は当時とは一変していた。小海線は初めての乗車となった。
再訪を期待 先輩が飯盛山を薦めてくれた理由が分かった。資料に花の山として飯盛山が紹介されていないことはむしろラッキーであり、いつまでも花の宝庫のままでいて欲しいと思う。是非来夏も訪ねる。高峰高原で池の平を案内して貰った長野の義妹には早速飯盛山の話しを伝えた。(2000/8/16 88/100)
追記 飯盛山は花の山であった。花畑を巡り、眺め夏山を楽しんだ。これが忘れられなくて、二年後再訪し、またまた花々に囲まれ、カメラに収めながら山頂を上下した(02.08.10)。会津若松の史跡で有名な飯盛山はイイモリヤマだが、こちらはメシモリヤマである。飯盛山は、手許にあったJTB刊「首都圏からのハイキング」1998年124頁に登載されていたが、花の山とはない。

