大展望 快晴下、標高2600m八ケ岳連峰東天狗岳山頂からの展望は360 度に展開し、存分に高山の醍醐味を味わう。槍ケ岳や穂高連峰、御嶽、浅間山は特徴ある山容から展望図なしに確認。南西には最高峰の北岳、東北には燧岳を見る。両神山を裏側から見るのは初めて。近くでは先週登った烏帽子岳、美ケ原、蓼科山等の山々を展望図と照らし合わせる。直ぐ目の前には八ケ岳の主峰・赤岳、阿弥陀岳の黒い異様な山塊が聳え、赤岳は昨年登ったこと(97.7.6)が信じられない程峻険な高峰。その陰で富士が見られないのが残念だ。これまでも、奥穂(94.8.5)や蓼科山(95.5.5)、湯ノ丸山(96.6.29)で展望を楽しんだことがあるが、それ以上の大パノラマ眺望で飽くことが無く時間が経つのを忘れる程。天候が良くとも遠望が利かないことも多く、今回は正にラッキー。西天狗岳からは諏訪湖が眺められた。
本沢温泉から 秘湯を巡るメンバーと昨年の湯俣温泉(97.7.11)に続き、八ケ岳山中の本沢温泉を訪ねる。Iさんの車で本沢温泉第二ゲート・天狗岳展望台まで入る。途中崖崩れした箇所があり少々肝を冷やす。車を降り本沢温泉まで白樺等の林の中の道を歩き、約1時間20分を要して同温泉に到着。本沢温泉は我が国第二の高地にある温泉宿(宿の案内では、野天風呂は日本一高地2150mとのこと)で、しかも最低でも1時間歩かなければならない温泉として知られているようだ。野天風呂は宿から5分程上り、谷底にあった。風呂は小さく4,5人で一杯。しかし、頭上に硫黄岳の爆裂火口壁を見上げながら入る温泉は格別。夕食後、明日に備えて早めに床に就く。2000mを超える高地の夜は寒く布団の中で毛布にくるまった。
天狗岳に登る 二日目 20日は天候良く、体調もまずまず。衆議一決天狗岳に登ることにする。白砂新道を予定したが、誤って先行したSさんを追って夏沢峠を経由する。結局東天狗岳まで追い付けず、我々が同岳山頂に到達した時は、彼は西天狗岳往復を済ませていた。我々も所要時間2 時間30分のところ2時間であったのだから決して遅かったわけではない。根石岳から先は森林限界を超え砂礫と岩場となり北アルプスを思わせる風景。我々も急勾配の岩場を伝い、西天狗岳を往復する。天狗岳は双耳峰であり、西の方が主峰(2645m)のようで三角点は西天狗にあったが、展望は東が抜群。登山者も皆、東の山頂で休憩していた。
下山は白砂新道を利用。これが新道の名に相応しく無理して開いたようで結構急な上に狭いルート。上りはSさんのお陰でメインルートを採ったがこれが緩い上りで正解と言えたようだ。Sさん、山頂直下の岩場から身軽にすいすいと先行し、下りが苦手な小生を待つこと屡々。それでも11時前に本沢温泉に下山する。歩きながら既に色付き始めた木々の葉を見て、流石に高山の秋は早いことを知る。再度野天風呂に浸かり汗を流した後、帰途に就く。途中で振り返ったら天狗岳には既に雲が掛かっていた。
本沢温泉で秘湯を楽しむ予定が天狗岳登山も果たし、小生の記録に同岳を加えることができた。Iさん、Sさん感謝する。(98/09/19,20 87/100)
追 記 北八天狗岳に登った。天狗岳は東西に並ぶ双耳峰で、いずれも2600mの高峰である。天候良く展望が抜群であった。写真からも覗われる。還暦前のことで、そう頑張らなくとも上下した記憶である。山麓の本沢温泉は谷間の小さな野天風呂であった。

