幕山は湯河原から少し入った相模灘展望の山である。資料には、「なだらかなカヤトの頂上からは真鶴半島や伊豆半島、そして太平洋の大海原が一望できる。」と紹介されている(「首都圏ハイキング97秋冬号」29頁)。隣の城山には、5年前に登ったが(01.12.1)、しとどの窟(イワヤ)への途中で滑って転び右膝を痛めた苦い思い出がある。今回も、勤務先の年末会合が奥湯河原温泉で開かれ、翌日一人早立ちして、バスを乗り継ぎ、幕山公園から歩き出した。師走なのに天候は良く、風もない。
幕岩下から山へ 同じバスを降りた家族連れと一緒に舗道を少し歩くと登山口。管理棟には小さな売店があり、パンフを揃えてある。一挙に山道となり、正面は幕岩と呼ばれる岩場で、多くの男女がロッククライミングの訓練をしている。横目で眺めながら、山頂へのルートを進む。数台のタクシーで乗り付けた一行も、岩登りらしい。年輩者やご婦人も混じっていてそうは見えなかったのだが。
海原展望 雑木林中の道を、葛篭折れを繰り返しながら、高度を上げる。木々は紅葉を越して枯れ葉に近い。時折鳥の声も聞こえる。そんな自然の中を独りゆっくりと上り続ける。下る老夫婦と交差して挨拶を交わした。右側木立の間から海が見え、足を止めては休憩を兼ねて展望を楽しむ。前方に広がる海原の大眺望は海辺ハイクならではの醍醐味だ。神奈川県や千葉県コース特有だが、歩いた数は少ない。そのため、出会った時一層感激が増す。一呼吸を入れて頂上を目指す。灌木地帯を過ぎカヤト地となって、頂は近い。
山頂を楽しむ 山頂(625m)は、小さな広場で既に2,3のグループが昼食中であった。正面を向き眼下に相模灘を確かめ、左に真鶴半島、右は伊豆半島、その間の島は大島だろうか。初島にしては方向や大きさが違う。カヤトに寝ころんで空を眺める。天候は変わりつつあり雲が出始めていて、寒い。季節は既に冬、初冬なのだ。一休み後、幕山の標識を入れて携帯に保存した。
バス停へ下山 下山は別コースとし、反対側へ下る。南郷山分岐を左折すると悪路であった。溝のような石ころだらけの道を通過し竹林のトンネルとなる。また沢のような地点を下り続ける。こちら側でもハイカーとは会わない。林道へ出て、大石ケ平で橋を渡り、一の瀬に着く。ここから右へ行くとしとどの窟とあり、ようやく位置関係を知る。左手に岩場に取り付くクライマーが見え始めると、登山口管理棟であった。バス停のある五郎神社まで下った。下り坂では水平線が目の上に見えた。土産にみかんを求める。一袋僅か200円で産地直売価格であった。
幕山は山歩きを始めて以来目標の山の一つとしていた。何となく険しい山のような印象を持っていたが、上下2時間と意外と簡単に歩き通してしまった。しかし、帰宅後左膝が痛み出した。整形外科で診て貰ったら半月板損傷だが軽いという。湯河原は、過去にも城山では転んで右膝を負傷したが、あの時も勤務先の会合に参加した同時期であったことを思い出した。湯河原の山は小生にとっては鬼門なのだろうか。(06/12/3 77/100)
追記 当山は山頂付近では相模灘から太平洋の展望が良い山であった。天候にも恵まれたからであったと思う。幕山は日本百低名山である(同書57頁)。読み直して、下山途中の下りで、左ひざを捻ったのを思い出した。帰宅後痛み出し、2月程苦労したが、その後再発しなかったのが幸いであった。

