私が登った百の名山&低山=関東編=「陣馬山から栃谷温泉へ下り汗を流す」

 今回は、家内と二人で、陣馬山から奈良子峠を経て栃谷温泉(陣馬の湯)に下るコースを歩いた。都心から近い初心者向きの気軽なハイキングコースで、しかも温泉付きという家族連れや中高年にも喜ばれること打ってつけのコースである。

 陣馬高原下から和田峠へ 陣馬山への登り口の陣馬高原下までは、京王八王子駅から西東京バスで入る。JR八王子駅前も経由し50分程で着く。バス停から道はすぐ左右に分かれるが、和田峠に向かう右の道を採る。陣馬高原下から和田峠への道は、関東ふれあいの道・東京都コース2の終点、3の起点ともなっている。
 集落を過ぎると沢沿いの林道となる。和田峠を越えて相模湖方面に抜けるドライブコースとなっているようで、車の往来が結構ある。林の中の道も上りが急になり、葛篭折れを2,3度繰り返したら和田峠は近い。ゆっくり歩いても約1時間で峠に着く。

 陣馬山頂 峠には売店があり、休憩に丁度良い。売店の脇に設けられた階段を上る。階段の道は歩き難いが、一登り約20分で陣馬山である。山頂(857m)には馬の像が建てられ、その回りのテーブルで、いつも大勢のハイカーが休んでいる。売店もあり、トイレが新築された。昼食をしながら360度の展望が楽しめる。天候が良ければ、富士山、丹沢や奥秩父の山々から新宿の高層ビルまでも見えるという。因みに、陣馬(場)山は、戦国時代甲斐の信玄が陣を張った場所に由来しているようだ。

 奈良子峠を下る 陣馬山から栃谷温泉へ下るコースは、栃谷尾根コース(96/3/31)と奈良子峠からのコースがあるが、後者の方が距離的に近い。快適な尾根道を下るが、雨後などは滑りやすい。奈良子峠は小さな峠だから、右側の標識を見逃さないようにして歩く。約30分で同峠に到着すると、標識には「藤野駅、栃谷温泉」とある。最初は急な斜面をジグザグに下るが、すぐ尾根道となる。狭いがしっかりとした山道で、杉林の中、ぐんぐん高度を下げる。奈良子峠から約30分で、枯れた古木と峠の由来を記した標識に出会う。往時、麓の村から峠を越えて八王子まで炭を運んだ馬を繋いで休憩した楢の木とある。

 陣馬の湯へ ここから栃谷温泉はすぐ。右手に建物がちらちら見え始める。下山口の前にあるのが栃谷温泉「陣馬の湯・姫谷」、岩風呂と露天風呂があり入浴のみもできる。その先の「陣渓園」も入浴可。一汗流してビールを飲んでJR中央線藤野駅を目指す。神奈川県藤野町落合・陣馬山登山口バス停まで約30分、神奈中バスで駅まで約6分、歩いても約1時間程だ。
 天候は良くなかったが、歩き始めに小降りに会っただけ。運動不足の家内は、陣馬山への上りは小憩を取りながらゆっくりとしたペースで歩く。その後、尾根道、奈良子峠からはまあまあに下る。連休なのに雨模様のためハイカーは少なく、静かな山歩きと山のいで湯を楽しむことができた。たまは、朝は玄関先で見送ってくれ、夕方は途中で待っていた。(97/9/14 66/100)

追記 陣馬山は、奥多摩手前の低山で人気の山と思う。私が上京後初めて登った山で思い出の山でもある。登頂後は、高尾山へ長い縦走(94.4.10)や相模湖側へ下るが双方とも歩いた。ただ、現在中央線高尾駅からバスで、アクセスが良くない。2,3度は歩いたが、その後チャンスは巡って来ない。