秩父鉄道は紅葉の中を走った。三峯口駅から本日は、旧両神村にある四阿屋山(アズマサン)を目指している。この山には少し経緯がある。山歩きを始めた頃に知った山であったが、岩場で死亡事故が起きてびびってしまい、一度は麓の国民宿舎に宿泊したこともあったが敬遠した。しかし初心者向きの山で、事故は不注意に起因したとの情報もあり、目標の山としていた。
秩父四阿屋山を目指す 三峯口駅でバスに乗り継ぎ、登山口のある薬師堂前から歩き出す。その前に薬師堂と両神神社に安全をお願いした。公園の中を進むと真っ赤な紅葉に出会い、立ち止まって見上げデジカメを向けた。薬師堂コースの取付き口を見付けるのに戸惑ったが、登山道へ進入できた。ハイカーは見当たらず、秩父山中を歩き続ける。この辺りは福寿草が咲く地で旧職場の仲間と一度バスで訪ねたことがある。もう10年以上も前のこと(96.3.9)。その管理地域を通過。隣の薬師コースとの合流地点で一息入れる。
その先で車道を横断し、小山を越すと雑木林の径となる。こちらは黄色の紅葉。ちらちらと左手の木立の間から麓の街が見える。また福寿草管理地を過ぎると、いよいよ急坂となる。杉林の中をゆっくりと一歩一歩上がる外はない。両神神社奥社に着いて、休憩。今朝三峯口駅前で求めた草餅で空腹を満たした。
岩場は超難所 山頂は近い。男性と擦れ違い挨拶を交わす。一端下ると岩場が迎えてくれた。インターネットで調べると岩場の鎖は手すりに見えて、その程度の難所であろうと思い本日挑んだ。しかし直ぐ甘いことに気付かされた。急な上に足場が悪く、鎖が頼り。振り向くのが怖いほど落ち込んで、下りが心配になる。落ち葉を散らしては足下を確かめ確実に上がり続ける。簡単な岩場ではなく結構続く。肩へと上がり切ってホッとしたのも束の間。真上の頂上へも岩場というよりは急なガレ場で長い鎖も垂れている。慎重に上って、山頂(771m)に立った。
両神山を眺める 木々に囲まれた頂は狭く、西側は切れ落ちている。唯一開けた西北にはギザギザ山容の両神山が近い。紅葉の下で休憩し、孫達へと落ち葉をポケットに入れた。一人では長居はできず、早々に下山とした。落ち葉で埋もれた岩場の急降下はより慎重にならざるを得ない。手足の外、尻も使ってどうにか岩場を下り切る。奥社で無事登山を報告し、展望舎へと回り、途中からは薬師コースを採り、道の駅農林産物直売所へと下った。(2010/11/20 57/100)
追記 四阿屋山直下は険しい岩場であった。特に下りは尻も付いてなんとか凌いだ。そんな中、麓の紅葉が美しく、頂上からは両神山の眺めが良かった。秩父の深い山中で、出会ったハイカーは一人であった。一昨年登山口の両神神社を訪ねて(23.10.5)、本山を思い出した。