最近おくの細道芭蕉ルートを追っているが、日光で裏見の滝に寄っていると知った。知らない滝でもあり興味が湧き、近くに句碑もあると分かった。調べると裏見の滝はアクセスが悪く、東武日光駅からバスで、その後徒歩1時間先とある。Sさんに、車を相談しオーケーを貰った。感謝である。
本日は長いGW中の1日で、いつもより早出したが、予想以上に東北高速道の下りの車が多く混み、日光側へ入ったのは予定より1時間以上遅れ。日光安良沢地区から山側へ進入し、狭い道を少し走ると裏見の滝駐車場であった。こんな山奥でも、もう見物者が出ている。入口に立つ案内板に芭蕉も立ち寄ったと紹介してある。
芭蕉も眺め詠んだ裏見の滝 もう5月だが、この辺りの木々は緑色は薄く未だ萌葱状態で山は深い。山道は、最初から荒れた上急坂の道。崖端の道になり、左は深い谷だが流れは見えない。樹林の間に対岸に流れ落ちる沢が見えたが目指す滝ではない。橋へ下ると正面に滝が現れ、裏見の滝。岩の間に激しく流れ落ちている(写真上)。滝見台があり、カメラを据えた先客達がいた。滝裏へ入れたからの名前だが、その後崩れて今は入れない。そのようなルート跡と石仏が見える。
芭蕉は、”ほととぎす へだつか瀧の 裏表”と詠んだようだ。2人で眺め、私はシャッターを切った。隣の崖にも広く薄く沢が落ち、こちらの眺めも良い。当滝を巡る故事来歴はなく、歌人等が詠んだ滝でもないのに何故芭蕉が訪ねたのか、多分当地の方に勧められたのかもしれない。そんなことを考えながら滝を離れた。
安良沢地区へ戻って貰い、安良沢小学校前の句碑を探した。校舎前に見付かり、”しばらくは 瀧にこもるや 夏の初”と刻んである。少し下ると大谷川畔に大日堂跡がありそこには、”あらたふと 青葉若葉の 日の光り”との小さな句碑で、東照宮参拝時に詠んだという。
植物園から淵を覗く Sさんを大谷川の含満ヶ淵へ案内する。大分前だが一度眺めたことがあり(05.12.04)、案内パンフを持参している。住宅街から渓谷へと右折したら、地元の方が、橋はなく淵の見物なら隣の東大附属植物園からが良いと教えてくれた。慌ててパンフを見たがそのようで、植物園に入園。シャクナゲが咲く中、園内ルートで淵へ近付くと谷へ突き出た崖上が見晴台。岩場の間を渓流が走り、また大岩に阻まれ淀み、淵になっている(写真下)。狭い範囲だが、眼下の淵の眺めも良く、カメラに収めた。車に戻り、少し走った先のヤシオの湯に浸かり、昼食にした。帰路の東北高速道はスムーズで、往きの半分の時間で高島平であった。Sさん有り難うございました。お陰様で、またおくの細道巡りを加えることが出来ました。
(2019/05/21 K.K. 1257/1300)
◇日時 2019/5/2 ◇天候 晴 ◇資料 久保田哲雄「奥の細道の旅・改訂版」2014年10月,23頁以下 ◇歩数等 9,000歩 7km
「通過時間等」自宅・高島平6:30-日光裏見の滝入口9:30=裏見の滝9:40=同入口10:10-安良沢地区10:20=同小学校前句碑10:30=大日堂跡句碑10:40=東大附属植物園含満ヶ淵11:00=安良沢地区11:30-ヤシオの湯11:40/12:30-高島平・自宅14:15