秩父芦ヶ久保から登る丸山はハイカーには人気のある山のようで、ガイド誌には屡々登場する。手許の山と渓谷社「首都圏ハイキング 秋冬号」や藤本一美外「展望山旅」でも、展望の良い山として紹介されている。これまでも登ろうとしたが果たせず、今年の目標の山の一つとしていた。実はおよそ30年前に一度、家内やかぼちゃ会のメンバーと登った(66.4.17)のだが、現在では記憶は薄れて思い出に残る風景などはない。当時西武池袋線は吾野まででその先はバスを利用したと思う。
大野峠先から見た山はやはり丸い山であった。そして、奥武蔵の最高峰 (960m)と知った。
大野峠 芦ヶ久保駅で降り、赤谷を経て大野峠を目指した。大野峠は分岐点で、丸山は左の方向だが、刈場坂峠から来た関東ふれあいの道・埼玉県12「グリーンラインに沿ったみち」は右折し、高篠峠、白石峠から東秩父村に下りる。ふれあいの道を歩いた時はコースを逆に採り大野峠で休憩したのだった(96.9.29)。赤谷から2 度沢を渡ると、杉林の中の急坂になり、久しぶりの山に喘ぎながらどうにか峠に辿り着いた。定峰峠までという高年ハイカーと一緒のペースであったが峠手前では小生が遅れて、引き離されてしまった。
展望 丸山の頂上には立派な展望台があった。何と野暮なと思ったが上がってみると、武甲山は指呼の距離。両神山は相変わらずの異様な岩山。その右に浅間山が見えるではないか。雪を抱いた白い山は山容からして浅間山に違いない。早速地図で確認した。さらに右手奥の高峰は谷川岳だろう。外秩父の登谷山、大霧山は眼下である。笠山、堂平山は大野峠の上でも良く見えた。冬の山は空気が澄んで展望が良い。期待以上に山頂からのパノラマを十分に楽しんだ。
西武池袋線 朝、西武池袋駅では10 時を過ぎていた。ハイキング電車や西武秩父駅直通電車の時間帯は終わっていたようで、飯能駅で約 30 分待って秩父行きに乗り継いだ。帰りも、芦ヶ久保駅に着くと同時に池袋直通が出てしまい、また飯能で乗り換えに時間を食ってしまった。やはり、山やハイキングは早出が鉄則と教えられた。
冬の装備 丸山山頂には雪がありしかも凍り付いていて、滑らないように慎重に下った。アイゼンはなくとも済んだが、真冬は持参すべきと反省。防寒対策としては、ヤッケ、番茶を入れたテルモス製魔法瓶、使い捨て懐炉、耳当て付き帽子などを用意した。しかし、夕方には気温が下がり、汗で濡れたダクロン製下着も冷たく、番茶で身体を温めた。下山途中、ストックのゴム製石突き部分が霜柱の中で外れて見失ってしまった。
地酒など 丸山からあしがくぼ果樹公園村に下りたら、一人道路端で野菜を広げる老婆に出会う。土産に水菜を求めると小さな柚を1 個おまけしてくれた。駅前売店で地酒と漬け物を仕入れてザック入れる。今回も地酒は「武甲正宗・たるざけ」となった。(00/2/5 55/100)
追記 奥武蔵の高山で、やはり展望が良かった。奥武蔵も最奥の秩父手前で、西武池袋線は飯能乗り換えが必要で、結構時間を要した。隣の日向山は4年後に登った(04.2.14)。その後、芦ヶ久保には、氷柱見物に訪ねている(15.2.22)。