私が登った百の名山&低山=関東編=「雨中の中5時間歩き通した日光鳴虫山」

 10時20分に東武日光駅をスタートした。日光の鳴虫山(ナキムシヤマ)に登頂し下山口発電所を経て、やしおの湯に着いた時は15時間20分で、丁度5時間を経過していた。久しぶりのロングコースであり、また難コースでもあった。今回は、ハイク仲間Kさんに同行を願った。鳴虫山は厳しい深山で、単身では少し不安があった。また今夏予定している北アルプス燕岳登山への足慣らしも兼ねた。最近新調した軽登山靴も試さなければならない。

 曇天の下スタート 登山口は東武日光駅から15分程歩いた住宅街の裏に見付かった。出掛けの東京は曇りであったがこちらは曇天で今にも降り出しそうである。のっけから急な坂道を上がる。右手に天王山神社が現れる。資料には展望が良いとあるが何も見えない。安全をお願いして本道へ戻る。右折して笹の覆う細い坂道を過ぎると神ノ主山であった。スタート後約1時間であった。ここでも眺望は得られない。休憩して水とチョコレートを補給。

 尾根道を上下し登頂 樹林帯の尾根道を行く。小さなピークの上下を繰り返す。それでも結構厳しい上りもある。息が切れないのは日頃歩いている所為であろう。突起点に達した。時間的には頂上かと思ったが案内もなく、鳴虫山トップにしては寂しい。この辺りからKさんに遅れがちになるが、マイペースを努めながらも後を追う。更に二つの短い急登を経た先が鳴虫山の頂(1,103m)であった。先人ハイカー数名が休憩中。そう言えば入山以来人っ子一人にも出会わなかった。天候に加えて、夏はこの山の好適シーズンではないのかもしれない。

 厳しい難路を下る 昼食後、雨具を着けて反対側へ下山開始。急降下が三箇所もあると資料にある。先程の老ハイカー達が駅側へ下ったのも難所を避けたのだろう。心して一歩一歩下る外はない。最初は階段が設けられた地点。長い階段だが危険はなく下り続けて、合峰を通過。下りの急坂が続くと僅かな上りも辛い。独標で休憩。これからが最後の難関の筈。滑りやすい坂にはロープがあって、掴まりながら慎重に歩を進める。下りが苦手でモタモタ歩く小生と、スイスイ進むKさんとの間には距離が開き、先行した彼は待っていてくれた。

 やしおの湯へ下山 急降下地点を終えてなだらかな山道になると林道へ出て一安心。しかし気を抜いたわけではなかったが、小さな傾斜に滑って軽く尻餅を付く。無事発電所傍に下山。雨と汗で濡れた身体には温泉が一番と、30分先のやしおの湯まで最後の一踏ん張りをする。これが長い距離、膝が笑い始めていた脚には堪えた。温泉施設に到着してザブーンと飛び込む。体重は大台を僅かながらも割っていた。次の燕岳にも少し自信がついた。Kさん、お付き合い戴き有り難うございました。(08/7/21 38/100)

追記 日光市街の裏手で、曇天から小雨の中、アップダウンが厳しい尾根道、展望のない樹林帯をKさんに引っ張られて歩き通した印象が強い。温泉までも距離があった。鳴虫山は、「日本100低名山を歩く」登載の山であった(同書76頁)。