私が登った百の名山&低山=関東編=「遂に登った両毛線沿いの山・三毳山」

 栃木県両毛線沿いにある三毳山(ミカモヤマ)の存在はハイキングを始めた頃から知っていた。特に春のカタクリの花の名所として、そっちこっちの資料に紹介されている。山自体は低山(229m)で、初心者向きだが、アクセスが悪い。最寄り駅が両毛線岩舟駅で、バスの便はなく徒歩約1時間とある。

 両毛線岩舟駅から 連休中の新聞に挟まれたチラシ広告に、両毛線直通臨時列車が走ることを見付けた。これはチャンスと、飛び付いた。この時期ツツジが咲くという情報もある。岩舟駅に降ると直ぐ田畑地帯で、その先に資料で眺めたなだらかな山容が見えた。右手に古墳を眺め、高速道下から左手麓を回り込んでとちぎ花センター先の公園東口まで、丁度1時間であった。管理事務所で、マップを貰い上り始める。晴天下の連休最後の日子供連れが多い。三毳山南半分は公園化されて、フラワートレインという乗物が走っている。そんな様子を横目で見て、山中へ入る。東山道跡の案内から関所跡への道を上がるが、僅かな急坂がきつい。

 尾根を上下 ゆっくりが基本だが、直ぐ先の尾根を目指して急いているのだろう。関所跡で休憩し、先ずは三毳神社へと南方向へ尾根筋を行く。中岳頂上を経ると、林が開けて、眼下に関東平野が広がった。ハンググライダー離陸場もあり、レールがあった。下から機体を運ぶものだろう。神社は奥社で社だけポツンとあった。簡単に参拝してまた休憩。本山の山頂は北にある青龍ケ岳のようで、Uターンして再度尾根筋を歩く。先程の関所跡からは、急にハイカーや散策者が少なくなった。緑が冴えてブナ林が美しい。また急登が始まるがジグザグに上がると程なく、青龍ケ岳に着いた。狭い頂上をアンテナ塔が占領している上に、林で展望もない。

 万葉集歌碑 小憩後、ザックからストックを出して、下り始める。歩きやすい山道だが、慎重に進む。途中山ツツジの花に出会いカメラに収めた。こんなに上ったのかなと思う程に下りが続き、カタクリの里を通過。そして管理事務所前へと下りた。傍に有名な“下野の三毳の山のこ楢のすまぐはし児ろは誰が笥か持たむ”の万葉集歌碑があった。シャッターを切り、公園北口から岩舟駅へ向けて、舗道を歩き続けた。

 三毳山の前に、岩舟駅先の富田駅に降りて足利フラワーパークに藤の花を観賞した。これにはわけがある。昨年友人を案内したが時期が早く花はさっぱりで、残念な思いをした。今回は期待できるとの情報を得て、その通りであった。大藤、下がり藤、花房のような藤、白藤と昨年は嘘であったかのように、全て咲き揃っていた。これが足利の藤かとせっせとカメラに収め、携帯も使用。帰りの電車内から花友Aさんに三回に亘って、藤花のメールを送り続けた。直ぐ、“素晴らしい藤の花”と返信があった。(2011/05/08  39/100)

追記 三毳山はハイカーには知られた山である。「日本100低名山を歩く」(同書82頁)でも紹介されている。しかし、関東平野の北に位置し栃木県にある孤峰で、アクセスも良くない。私は両毛線岩舟駅から歩いた。万葉歌は、下野の三毳山のコナラの木のようにかわいらしい娘は、だれと結婚するのかなの意という。東北高速道路が山裾を走り、通るたび三毳山を眺め、思い出している。