私が登った百の名山&低山=関東編=「行道山から萩の咲く尾根を歩く」

 秋分の日を挟む三連休の中日、遠出も可能で、栃木県足利市にある関東ふれあいの道コースを歩く。快晴だが、先日から気温が急に下がり秋らしくなって、久しぶりに長袖シャツにした。ハイキングには絶好の日和だ。北千住駅から東武伊勢崎線特急を利用して、足利市駅発午前中1便という市営バスに間に合わせた。車窓から眺めた富士は白富士で、初冠雪は数日前に報道された。

 浄因寺から行道山 ハイキング客だけを載せたバスを終点で降りて、行道山(ギョウドウサン)浄因寺を目指して歩き出す。山道の両側に流れが落ちている二つの滝が迎えてくれる。阿吽の滝というらしい。杉林の道から石段を上り詰めると浄因寺。資料に関東の高野山とあるが、古刹を窺わせるも、山腹に建つ小さな寺(713(和銅6)年行基が開山)であった。先程参道で山を下るお坊さんと会釈を交わしたが当寺の住職だったのだろう。小憩後、寺の裏から尾根に出る。近くに寝釈迦像があると知り、立ち寄るも50cm足らずの小さな石像であった。

 展望を楽しむ 本格的なハイキングコースとなり、程なく石尊山山頂(442mに上がる。バスで一緒だったハイカー達と見晴らしを楽しむ。北は男体山、西は赤城山から榛名山、東には筑波山がそれぞれ特徴のある山容を見せている。案内には富士山もあるが樹木が育ち遮っている。水を補給し、ベストをザックに仕舞い、尾根歩きを続ける。

 両崖山城址 一旦山を下り舗道に出て大岩毘沙門天に着く。途中剣ケ峰(417m)を踏んだ筈だが小さなピーク程度で気付かずに越してしまったらしい。参拝後、舗道歩きから両崖山への山道に入る。山頂に遺るという中世城跡に期待する。空壕跡を思わせる窪地や鞍部を三度横切ると山頂(251m)であった。足利城(両崖山城ともいう。)本郭跡だろう。藤原秀郷の孫足利成行が1054(天喜2)年に築城し数代続き、城主足利長尾氏を経て小田原の役で廃城になったという。北限という椎の大木が繁る城跡で、犬を連れたハイカーの側で昼食を取った。

 足利織姫神社へ 更に萩の花が咲き始めた尾根伝いを歩き、展望台から足利市街を見下ろし、小さな岩場道を通過。織姫公園に下り園内から織姫神社に到着して、行道山からのミニ縦走は終点となった。6.1kmのコース中、小さなアップダウンを数度繰り返したが、顔の汗を2,3度拭っただけで、暑さを感じることはなかった。

 ふれあいの道は足利市内から両毛線足利駅までに延びており、鑁阿寺(バンナジ)、足利学校を見学して駅にゴール。今回は浄因寺から足利駅まで、ふれあいの道コースを一度も外れることなく歩き通した。珍しいことである。(2001/9/23 36/100)

追記 関東ふれあいのみち栃木県コース7「歴史のまちを望むみち」を歩いたら、石尊山、剣ケ峰、両崖山を貫いていた。行道山と知る。同山は、「日本100低名山を歩く」登載の山であった(同書72頁)。