私が登った百の名山&低山=関東編=「結構手強かった鋸山からの下山路」

 ピクニック気分で出かけた房総鋸山 千葉県内房にある鋸山はハイキングというよりは房総観光の途中に立ち寄る程度の山と理解していた。しかも上りはロープウェイ利用で簡単なピクニック程度の楽勝コースであり、むしろ下山後の温泉や地魚で一杯に期待していた。しかし、現実は違っていた。予定通り、浜金谷駅に降り少し歩いたロープウェイ山麓駅から一気に山頂駅に上がった。

 大仏様参拝 先ずは日本一の大仏様を拝観しようと西口から日本寺境内に入る。石段を下りながら、大分下ることになるのではと、この辺りから記憶が蘇り始めた。鋸山は二度目、いや三度目かもしれない。いずれも房総小旅行の途中に立ち寄った程度ではあったのだが。千五百羅漢道から右折すると下る一方になった。石段の高さが歩幅に丁度良いなどと言いながら一歩一歩下り続ける。大仏広場に到着し大仏様に軽く参拝。前に観た時より改修されたよう見える。やはり昭和44年復元工事があったというからその前に訪ねたのであろう。

 鷲急襲のハプニングを見る 時間も正午近くになり昼食にする。空を舞っていた鳶が突然急降下し近くのご婦人の食べ物を急襲した。これには周囲皆吃驚。餌を取り損ねた鳶は上空から再襲を狙っている。鳶にとってはいつものことかもしれないが、襲われた者は尋常ではない。幸い怪我はなかったようだ。
 小生は麓のスーパーで求めたサンドイッチであったが、珍しく持参したインスタントものとお湯で皆にコーヒーを提供し、戴いたオレンジで食後のデザートにした。

 頂上へ いよいよ頂上を目指して上り返す。連続する階段は次第にきつくなる。小憩を取りながら座禅石、二天門トンネル、西国観音を過ぎて、息が切れ始めた頃に山頂展望台に上がった。生憎曇天で東京湾は眼下だが遠望はない。垂直に切り立った地獄のぞきに立つ。高所恐怖症の小生も怖いとは思わず覗くことができた。柵があって安全だからだろう。

 意外にきつい下山路 下山は百尺観音を眺めた後北口から開始した。駅まで約50分という。小生が先頭だが、狭い上に急降下の磨り減った石段が続く。治りかけている膝が心配になった。苦手な下りによたよたしながらも険路を進む。関東ふれあいの道の道標があるが、鋸山は確か千葉県コースには含まれていない筈だ。観月台手前あじさい広場で休憩。一本の桜が咲いていた。山桜だろうか。流石房総は温暖の地だ。最後の急坂を下り切ると山を出て、浜金谷の集落であった。

 反省会 予定した温泉旅館は直ぐ見付かったが満員という。他も当たったがいずれも同様であった。年度末の土曜日だからであろうか。到着時予約の話が出たが大丈夫と高を括ったのが裏目に出て、同行の二人には悪いことをしてしまった。浜金谷港傍のレストランに入り地魚定食で反省会。駅に向けて歩き出すと正面に広がった鋸山の山容はギザギザがあって鋸形に見えた。(07/3/24 61/100)

追 記 鋸山は内房の低山で、観光用にロープウェイもある。私も房総旅行の際訪ねていた。今回は、歩いて下山した。高く垂直に立つ石材の切り出し跡の底部歩きは、頭上に岩壁がそそり立ち圧迫感もあり、怖い位であった。江戸時代から昭和の末迄切り出していたという。日本百低山(同書242頁)や日本百低名山を歩く(同書96頁)に登載の山である。