荒船山は群馬長野県境にあり、内山峠に登山口がある。同山は北端が切れ落ちて断崖絶壁の山としても、人気がある。一昨年、内山峠から登ろうと出掛けたが思い込みから登山口を誤り、登頂を果たせなかったという苦い思い出があり、再度の挑戦となった。同行者は前回と同じKさんである。
荒船山へ再挑戦 今回は、前回見逃していた登山道を私が先で歩き出した。前夜の雨で道は濡れ滑らないように前進する。2,3度急坂をこなすと左手の紅葉の間に、荒船山名物の大断崖が見え出した。休憩し、カメラに収めた。次のポイントは一杯水だが、中々現れない。途中崩落跡の迂回路を通過。一昨年登山口に閉鎖の印があったのはここの所為であったかと思い出した。大岩の下には佐久市の標柱を見て、長野県に入ったことを知る。大岩壁が目の前に現れて、その大規模な自然の悪戯に驚く。ようやく一杯水沢の下となる。ここからが、唯一の岩場混じりの険路。Kさんに先頭を交代して貰い、マイペースに努める。下山する高年グループと交差。本日は平日だが登山口駐車場には数台の車があった。久しぶりに山登りらしいコースに、今年は初夏の雌阿寒岳以来だなと北の名峰を思い出した。
艫岩からの大展望 岩場を上がり切ると、平らな地。荒船山は戦艦にたとえられて、頂上部分は空母甲板のように平で、北端の岩場が艫(トモ)の部分に当たる。灌木の間の道を行くと、左手が切れ落ちた絶壁。近付かないように注書きがある。数年前有名漫画家が落ち報道された。避難小屋前に到着し、崖端へと出て、垂直に切れた絶壁の一端を覗く。顔を上げれば、前方に大パノラマが広がった。正面が浅間山、左は草津白根方面、右のギザギザは妙義山だろう。紅葉の上に連なっている。暫し数人の登山者達と遠望を楽しんだ。先程登山道から蓼科山を確かめた。
荒船山空母甲板南端にある行塚山を目指す。同山が最高点(1,423m)である。山頂平原の往復に約1時間を要し、頂上で昼食を取った。
紅葉を愛でながら下山 下山路は同じコース。濡れた岩場や坂を慎重に下る。時々紅葉に見とれる。木々の紅葉は最高潮の時期だろう。友人にも送ろうと携帯にも収めた。若いKさんとは少し距離が空く時があるが追わない。逆に彼の方が脚を止めてくれる。そして、無事登山口に帰還した。Kさん有り難うございました。お陰様で、3年越しの荒船山登山が叶いました。また運転もご苦労様でした。(2011/10/31 48/100)
追記 荒船山は一度登山口を誤り撤退した苦い思いでの山で、私の思い込みからで、大失敗であった。垂直な大岩壁、平らな山頂部とユニークな山容であった。日本100低名山(同書92頁)や日本百低山(同書140頁)に選ばれている。