笠山、堂平山に登る。両山は、大霧山と列び埼玉県比企三山を構成し、外秩父の名山に数えられている。大霧山にはこれまで2度登り、次ぎは笠山から堂平山を狙っていた。
笠山はその名の通り山容が笠に似ていることから名付けられたようで、特徴ある笠山の姿は大霧山の下山途中や東上線小川町駅手前からも見分けられた。笠山、堂平山への登山ルートは色々あるが、我々は東秩父村皆谷から上り始め、白石に下りる。外秩父の山は林道が山頂付近まで設けられており、懸命に登ったのに林道へ出るという興ざめコースが多い。笠山、堂平山も同様であった。
秋晴れの日 前日の雨が嘘のように秋晴れの一日となり、出掛けの東上線の車窓から真っ白い大きな富士が見られ幸先のよいスタートを切った。案に違わず、笠山からは近くの大霧山の麓で放牧中の牛が眺められ、また遠くは両神山の先に山並みが連なり、剣ケ峰では奥多摩から丹沢方面の山々がシルエットの如く浮かんで見えた。東方が開けた堂平山では期待した筑波山は望めず、残念ながら遥か雲の彼方であった。季節的には秋も盛りの時期だが外秩父山中は未だ紅葉には早く、道に落ちた山栗やどんぐりだけが晩秋を窺わせた。
笠山から堂平山 皆谷から笠山までは1時間 20分を要しほぼコースタイム通り上る。ジグザグ林道をショートカットする近道を利用し、時々立ち止まっては大霧山方面の展望を楽しみ、休憩は一本松の先で取ったのみ。
笠山山頂(837m)からは簡単な岩場をこなして笠山神社を往復。隣に立つ社務所が無惨な姿で廃屋になっていたのが何故か印象に残る。
笠山から急斜面を下って一旦笠山峠に下り、林の中の泥沢を上り返すと堂平山。山頂(876.8m)には東京天文台の施設が設けられ、日曜日にもかかわらず開門されていて、大勢のハイカーが芝生で昼食を取っていた。我々も仲間に入り、秋の日の下で持参した弁当を開く。
歩いたことのあるコース いつもより長めの昼食休憩を取った後、剣ケ峰(876m)、白石峠を経由して白石のバス停に下りる。峠からバス停までは逆に2度上ったコース。その時は緩やかな上りの小径と思ったが、これが結構急な下りが続く山道。上りと下りでは目の位置が違うのだろう。景色も違う。前日までの雨のせいで激流となって走る谷川沿いの道を進み、峠からの下りに45分を要す。先に上った時は50分程の記憶であり、ひたすら下ってもそう差がないと思い帰宅後調べたら上りには 1時間弱を要していた。バスを待つ間に、側のそば屋に入り冷たい麦酒を求めて喉を潤す。名物手打ちそばは次回の楽しみに回した。
Kさんとはいつものように東上線川越駅で合流する。彼は前日の野球の疲れを見せずに終始元気に歩き通した。Kさんまたお願いします。今後はルートや季節を変えて歩き新たな発見を楽しもうと思う。(98/10/25 53/100)
追記 笠山・堂平山コースを歩いた。日本百低山(同書152頁)や日本百低山を歩く(同書107頁)登載の山である。これで、二本木峠・皇鈴山(94.12.4)、大霧山(96.9.16,98.5.31)、物見山・笛吹峠(97.6.28)、鎌北湖(97.9.6,98.7.4)、一本杉峠(97.11.3)、大高取山・桂木観音(97.11.3,98.4.30)、金勝山・官ノ倉山(97.12.27)、鐘撞山(98.2.14)、仙元山・和紙の里(98.2.21)、宿谷の滝(98.3.7)、ポンポン山(98.5.24)と東武鉄道が推奨する外秩父ハイキングコースのすべてを歩いたこととなった。私にはホームグランド奥武蔵の山々でもある。