私が登った百の名山&低山=関東編=「念願の草紅葉を求めて尾瀬ヶ原を歩く」

 テレビの旅番組で草紅葉を知ってから、秋の尾瀬ヶ原で観てみたいと思い始めていた。尾瀬は遠く交通の便がよくない。ネットで調べると深夜発早朝着のバスが多い中、朝7時台新宿発で昼前尾瀬戸倉着の関越交通バス尾瀬号を見付けた。無理すれば日帰りも可能だろうが、一泊し翌日は至物山登山と欲張った計画をし、同行予定のハイク友Kさんの同意を得た。

 7時50分新宿を出た尾瀬号は関越高速を走り、群馬沼田からは路線バスの如く山奥の集落を回り、客を降ろして、尾瀬戸倉に着いた時は予定時刻を過ぎていた。さらに乗り換えて鳩待峠着は一時間遅れの13時少し前であった。雨が降り出した上に、土曜日の峠はハイカー達で込んでいる。

 尾瀬は紅葉シーズン 宿泊先ロッジのある山鼻迄は約1時間コースで、尾瀬ヶ原へ向けスタート。二人とも雨具を着けた。水芭蕉の時期に往復したことがあり(07.6.1)、一応道は知っているつもり。帰りのグループ等と交差しながら、木道を行く。雨で滑り易いため、ゆっくり慎重に進む。時々紅葉した木々に出合い、止まってはカメラを向ける。それにしても、ハイカーが多い。時間的に帰路のピーク時に当ったようだ。中には隣国からの方々も見える。皆草紅葉目当てなのだろうか。二度橋を渡り、林を抜けると建物が見え、山鼻到着。ビジターセンターに寄り資料を入手する。そして、今夜の宿尾瀬ロッジに荷物を預け尾瀬ヶ原へと進入した。

 これが草紅葉か 尾瀬ヶ原へ出て驚いた。湿原全体が黄土色一色に染まり広がっている。枯野ではあるが一歩手前で、これが草紅葉というものだろう。時期的にもベストである。シャッターを切り続けた。雨も止み木道を進むと、前方には燧ケ岳が姿を現した。草紅葉色に染まった広大な湿原、そして雲の上の東北一の高山(2,356m)と絶景である。池塘では逆さ燧も見た。午後も遅くなりハイカーも大分少なくなった。
 尾瀬ヶ原の中心牛首に到着し休憩し、Uターン。先には東電小屋や竜宮小屋があり、林の中に見える建物は後者の小屋だろう。草紅葉に満たされた戻り道では、明日登る至物山が前方に聳えている。登山道が見えないか目を凝らしたが、良く分からない。ほぼ真っ直ぐに下る沢のような線が見えるが直線的過ぎる。木道下に咲く紫色の花を見付け、エゾリンドウとKさんに紹介した。草紅葉一色の中の原色の花は目立ち、カメラに収めた。
 尾瀬ロッジは満員。それでも三畳だが個室が与えられ、夕食は山小屋とは思えない品数が揃い、入浴もすることが出来た。我々は、風呂と地酒の晩酌で疲れを払い、明日に備え早い時間に就寝した。(2013/10/5 47/100)

追記 尾瀬に草紅葉を探勝した。尾瀬はこれまでも数回訪ね、最初はかぼちゃ会インバーと大清水峠越えであったと思う。家内も一緒で、1967年のことであった。いずれも水芭蕉鑑賞で、主に沼山峠からである。この時翌日は至仏山に登った。