私が登った百の名山&低山=関東編=「大野山に登り大富士を眺める」

 大野山に登った。丹沢山系端の南西にある低山(723m)だが富士展望の山として知られる。厚木在の読者Kさんからも、良かったと聞いた。手許のガイドの多くに掲載され、初心者向けの山とある。弟と同行した。

 変化に富んだ山道を上がる 大野山は小田急線新松田駅からバス。予想に反しバスはガラガラ。途中、山北駅から歩いているハイカーが見えた。登山口に降りスタート。標識に従い集落鍛冶屋敷へ入り、直ぐ急な坂である。

 旧共和小学校前へ上がると、正面に樹林越しに富士が見え、2人は早速カメラを出した。グランドには大勢の人出がありゲートボール大会のようだ。市間分岐を左へ行き大野山への山道となる。急坂、ヤセた尾根道、小さな岩場とあり中々の登山道。初心者向けとあったから気軽に考えていたが、そうでもない。肩幅程度の長いトラバース状の道となる。途中休憩を取り、水を補給した。林の間から左手先に頂上付近が覗け、そう遠くないことを知る。

 山頂から大富士を 深い林を抜けると、一面カヤトの原野で、山頂一帯は高原牧場という。登山道はその端を一直線に上がる木段。休みを入れながら一歩一歩とこなす。弟も苦戦のようで、間が空いてしまった。
 上り切り肩へ出ると、目の前に丹沢の山々が広がった。右端は山容から大山、そして塔ノ岳、丹沢山だろう。晴天下、秋色を帯びた山々は美しく、暫し展望を楽しむ。弟も追い付いて、牧場用舗道を山頂へ。犬くびり地点には駐車場もあり、車を降りた男女がスタスタと先行する後を、疲れた脚で最後の急坂を上がった。
 直ぐ先に大きな富士山があり、山頂広場では多くのハイカーが眺めている。箱根の山から見る富士と同じである。我々もザックを置いて、雲の切れるのを待ちながら、富士にカメラを向けた。弟は場所やアングルを選びながら、シャッターを切っている。

 遠い谷峨駅 昼食後、御殿場線谷峨駅へ向け下山開始。70分とあり、近い。ススキ原の南斜面を、ジグザグを繰り返しながら高度を下げる。鹿除けフェンスから舗道へ出て、林の中を下り続けて頼朝桜。現木は数代経ていることは疑いない。集落を抜けると左右へ振れる下りの大曲が連続する車道。東名高速の下で、時計を見ると70分は過ぎたが、駅手前の酒匂川も見えない。我々の歩きは早くないことは確かだが、そう遅いとも思っていない。川面が見え出し、傍の紅葉が深紅で綺麗だ。橋を渡り田圃から国道246号へ上がるとようやく谷峨駅で、100分近く経過していた。大野山は私には久しぶりの山歩きらしいハイキング先であった。(2016/11/13 80/100)            

追 伸 展望の良い山で、富士の外、手前からは丹沢山塊の高峰が眺められた。当山は、丹沢の南西の端で、アクセスが良くない。御殿場線沿線で、下山先は谷峨駅であった。その後御殿場線に乗った折、谷峨駅付近では思い出すが、山は見えないが酒匂川の急流は相変わらず速い。