私が登った百の名山&低山=関東編=「三斗小屋温泉に入り損ねた那須・茶臼岳登山」

 バスで茶臼岳の麓、那須高原に着き、車と観光客で混雑する高原を見て、世は既に夏休みに入っていることを実感する。今回は、夏の奥武蔵や奥多摩を避け、那須・茶臼岳を目指す。およそ30年前(67年10月)課内旅行の際ついでに登ったことのある山。同岳は百名山の一つであるが、ロープウェイを利用し簡単に登れた記憶。久しぶりY君を誘い同行。列車内でY君と相談し、茶臼岳登頂後、三斗小屋温泉を往復することにする。

 茶臼岳山頂へ 山は既に夏山で、山麓は緑の潅木で覆われ美しい。雲は遥か下に見え、途中バスが霧の中を走ったが雲の中だったらしい。ロープウェイ山頂駅から茶臼岳山頂[1,897m]までは、40分を要しコースタイム通り。火山灰の砂礫を過ぎると火山岩だらけの岩場となり、硫黄の匂いを感じながら多くのファミリー登山者と一緒に上る。Y君は富士登山の疲れと悪い膝のためか遅れ気味で、小生は終始マイペースを貫く。実はY君、クッキング道具、材料などを詰めた重いザックの所為と分かる。2度目の筈だが頂上に着いても何も甦ることはなく30年の歳月は永い。
 山頂下で、既に秋茜が舞う中、昼食。Y君は担ぎ上げた道具と材料を使いインスタントだが鳥飯。小生はお湯を貰いカップ麺。山で食べるカップ麺もまた乙なもの。霧が晴れると西北が開け朝日岳から遥か会津田島方面まで眺められた。

 三斗小屋温泉往復 茶臼岳山頂から、お釜を巡り峰の茶屋跡の避難小屋へ下る。さらに三斗小屋温泉を目指す。同温泉までは往復2時間、往き50分と見込み、露天風呂に30分を当てる計算をする。しかし、途中で雨が降りだし、延命水に到着した時には40分を経過してしまった。雨具を着け、足を速めたが、70分を要して煙草屋旅館着。宿泊客専用時間となり露天風呂入浴は不可とのこと。帰りのバス時刻も分からず、電話を借りて家内に遅れることを連絡し、峰の茶屋跡に戻る。結局、往復3時間弱を掛けて三斗小屋温泉を訪ねたが、延命水で水割り用に水を汲んだだけ。山頂での昼食を早めに切り上げるべきだったと反省。

 最終バスに間に合わず 峰の茶屋跡からは茶臼岳の山腹を横切り、ロープウェイ山麓駅に下山する。途中の案内で、上りの時から目に付いた白い花の高山植物はウラジロタデの名と知る。雨は上がったが濡れた石だらけの道を慎重に下る。コースタイム通り35分で峠の茶屋を通過し、45分で山麓駅に到着。10分前に最終バスが出てしまったと教えられ、重い足を引きずり大丸温泉まで下る。温泉で汗を流した後、湯元までタクシーを利用し、バスで黒磯駅に出て帰途に就く。黒磯から鈍行に乗り赤羽経由で帰宅した時は既に22時を回っていた。(98/8/1. 34/100)

追記 茶臼岳はロープウェイを利用して、意外と簡単に登った記憶である。山頂裏ではガスが噴き出していたと思う。三斗小屋温泉は、後日秘湯の会で、沼原湿原から茶臼岳の裏を歩いて大黒屋に宿泊する機会があった(02.5.24,25)。奥に見えた朝日岳は眺めるだけで終わった。那須の山々はアクセスが悪い。