久しぶりの本格的な山歩きであった。山麓明神平から歩き出して箱根湯本駅に着いた時は5時間を過ぎていた。急登あり、尾根歩きあり、そして急降下もあり、最後の下りは荒れた道であった。終盤は同行のKさん共々、膝をがくがくさせながら下山先阿弥陀寺を目指した。
急坂から尾根道へ 箱根明神平宿泊先から登山口へ向かうも間違えたらしく探しあぐね、近所の方に教えて貰い、藪を抜けて登山道へ合流した。岩がごろごろする急坂を霜を踏みつけながら一歩一歩上がり続ける。歩き難い程ではないが箱根火山特有の登山道だろう。2,3度小憩を繰り返したが、45分程で鞍部へ飛び出した。ここからは明神岳を背にして尾根歩き。晴天の下、右手には神山や早雲山の箱根の山が一望だ。今朝ベランダから眺めた風景と同じで、うっすらと雪化粧している。若いKさんが先行して私が後を追うのはいつもの展開だ。
尾根筋は一転した歩きやすい緩やかなアップダウンのある道。時々は竹藪の間を通過する。“ドーン”と音が聞こえる。“雷かな”とKさん、“いや自衛隊が撃つ大砲だろう”と私。御殿場の演習場が近いはず。子供の頃故郷に駐留した米軍演習見聞の経験があった。明星ヶ岳(924m)に到着。山頂とは程遠い平地に三角点と社だけ。ザックを降ろして社に参拝し、記念撮影。展望はなく、資料に従い休憩は少し下った先とした。
遠い塔ノ峰 ここからが次のポイント塔ノ峰迄距離もあり、しかも難コースであった。尾根道が終わり、急降下する。雨で流れて山道がハッキリしないし、階段も役に立たない。横に成りながらどうにか下り切った。突然林道へ出て、登山道が不明。マップを出して読み林道を進むと先に塔ノ峰への案内が見付かった。また急登、疲れた脚には辛いが懸命に進む。左手が開けて、雪に染まった連山が見えた。またKさんが“あの山は”と、私は“多分丹沢の山だろう”と応答。最右手の山の形に大山を見たからだ。
悪路を下る 塔ノ峰(566m)で最後の休憩。もうすぐ下山と高を括っていたが、気を抜けない荒れた急な下りが続く。慎重に歩いて下りた先が阿弥陀寺境内であった。あじさい寺として有名。軽く参拝し、未だ芽も出していない紫陽花の木のある参道から杉並木の下を、直接湯本駅へ下る。意外に近くて登山鉄道利用を止めたのは正解であった。ロマンスカーを予約し土産と弁当を求め、遅い昼食は車中とした。Kさん有り難うございました。お陰様で、無事明星ヶ岳に登ることが出来ました。また同行をお願いします。小田急車窓から眺めた大山や鍋割山も是非歩きましょう。(2012/03/12 79/100)
追 記 箱根の山は本山と金時山のみとなってしまった。箱根火山の外輪山東方の山である。ハイキングには東海道箱根八里や杉並木から芦ノ湖畔等と大分歩いたのだが。隣の明神ヶ岳は是非と思っていたが実現できなかった。本山では、最後の下りが急な上、悪路であったことを思い出した。