私が登った百の名山&低山=関東編=「ベテラン先輩に引っ張られて歩いた谷川岳」

 天神尾根コースから 上りは、ロープウェイ、リフトを利用し、天神尾根コースを採った。ロープウェイの下車駅から谷川岳の頂上が遥か先に見え、あそこ迄登るのは本当かなと思える程遠くに見えた。二、三箇所急登の岩場があったが、約2時間20分を要して頂上・トマの耳に立った。

 トマの耳、オキの耳登頂 途中、寝不足等のためか、息が切れていつもよりは調子が出なかった。このコースは、団体客、家族連れで賑わい、中には幼児や犬を連れた者も見受けられた。岩場付近から肩ノ小屋にかけては高山植物が見られ、釣鐘草の可憐な姿や二ッコウキスゲも散見された。天気が良く、そのため、高山でも暑く、汗が引っ切り無しに出た。途中の眺めも良く、特に新潟県側の山や谷がよく見えた。・
 登頂後、単独でオキの耳を往復した。Hさんの予告どおり30分を要した。オキの耳では、恐る恐る一ノ倉沢やマチガ沢の岩壁を覗くことができた。

 西黒尾根、巌剛新道を下る 下りは、西黒尾根、巌剛新道コースを採った。西黒尾根は、急激な下りの岩場が連続し、尻を付き両手を使って慎重に下りた。ガレ沢の頭に着いた時は膝がガクガクとなってしまった。同地で上を見上げると岩場が覆いかぶさって見え、良く下りたと一人で感心した。巌剛新道は、悪路で、岩ばかりの段差のある道が続き、二人の後をフ一フー言いながら、マイペースで下った。途中で、水筒の水がなくなり、マチガ沢から流れた谷川と出会ったときは、正に慈雨だった。その中で、HTさんがタイムリーに出してくれたオレンジには助けられた。時々、左側にマチガ沢の岩壁と雪渓が見えたが、下るのが精一杯で眺めを楽しんでいる余裕はなかった。頂上から約3時間15分、ガレ沢の頭から約2時間を要して、巌剛新道の入口に着いた。ゆっくりとしたぺ一スという。小生が遅れたからだ。

 一ノ倉沢見物へ その後、一ノ倉沢見物に出掛けた。約30分で到着。そそり立つ連続した巨大な岩壁、その下の雪渓、初めて見る風景だ。同沢下は見物客で一杯だった。ロープウェイ乗場を経由して土合駅着。下りのホーム迄は500段以上の階段を降り、膝がガクガクの小生はダメを押された。湯沢では温泉で汗を流し、麦酒で乾杯して疲れを癒した後、Hさんと別れて、HTさんと二人で帰京した。
 今回は、約8時間歩き通す初めての経験となった。前記の通り、小生は下りでバテたが、Hさん、HTさんは上りも下りもスイスイとこなし、御二人の経験のみならず、スタミナ及び技術には圧倒された。下りで膝が笑ったため、特に、登山靴が重いためか左足がスムースに出ないとき、また、不慣れのためか登山靴の重さ、大きさが分からないのではないかと思われたときがあった。今後一考を要する。(94/7/24 41/100)

追 記 夏山に、初心者の私が山男のようなベテラン二人に引っ張られて谷川岳を経験した。上りは兎も角、下りはバテバテだったのは今でも思い出す。連峰の仙ノ倉岳(96.7.13)や蓬峠(12.8.5)も歩いた。その後、天神峠(21.9.13)や一の倉沢下(04.8.6,23.10.18)を訪ね、尾根を見上げては、良く登頂出来たなあと眺めた。若かったのである。