前々回の長野の高峰高原池の平で見たコマクサが後を引いた。帰宅したら丁度、本白根山でコマクサが咲き始めたとの報道があった(2000/7/12)。本白根山はバスが頂上下まで通って初心者でも登れる山であり、小生の夏山にはぴったりと考えていた。それに深田百名山でもある。これらにコマクサが加われば躊躇はない。
群生するコマクサ 尾根を越えて山頂手前の空釜に足を踏み入れた瞬間、目の前が一面コマクサの花畑。ガレ場の斜面にコマクサが咲き誇っている。移植したのではと思える程の大群である。早速カメラのシャッターを立て続けに切った。ここのコマクサの花は、池の平とは少し違い赤色が濃く、ピンクというよりは赤い花に近いようだ。草津温泉バスターミナルで、「コマクサは満開」との情報を得て期待はしていたのだが、これ程に見事に咲いた花の出迎えにすっかり感激してしまった。本白根山のコマクサは関東唯一のものであり、60年代には絶滅寸前となったが、地元の個人や高校生のボランティア活動で蘇ったとのことである。
本白根山のコマクサはこんなものではなかった。展望所で昼食を取った後、探勝路を最高地点に向かうと、木道左側に自然のコマクサ畑を作っていた。さらに尾根に上がるとコマクサ、コマクサ、コマクサのオンパレードである。登山道の足下から満開のコマクサが尾根筋に広がっている。赤い花は可憐な女王というよりは妖艶さを感じ、赤色花の大群に同じルートを戻った時は、感動を超えて食傷気味になるという贅沢さを味わった。
バスで山麓へ 長野原草津口駅からバスで入山し、白根火山バス停から歩き始めた。逢ノ峰を越え、ロープウェイ終点を左に見て、登山道に入った。ゴゼンタチバナなどを楽しみながら緩やかな上りを進み、空釜に至った。展望所に上がり、浅間山や黒斑山、四阿山など上信越の連山を眺めながら昼食を取る。探勝路を往復して最高地点(2,150m)に達した。
ワタスゲに出合う 下山途中、鏡池に立ち寄り池底に亀甲模様を見る。自然の織りなす作業というが不思議なもの。ロープウェイ終点に戻り、車道から弓池に下りると一群のワタスゲに出合う。池の端で見頃のワタスゲをカメラに収めた。ワタスゲは妻が好きな高山植物であり、コマクサとともに写真の出来上がりが楽しみとなる。
湯釜を覗く バス停で時間を確かめ、湯釜を覗く。乳白色の火口湖は相変わらず不気味であった。コマクサやワタスゲに満足して、地酒「草津節」を片手に長野原草津口駅から臨時特急で帰途に就いた。(2000/7/22 44/100)
追伸 久しぶりにコマクサに出合い群生する花々に充たされた。私には、コマクサと言えば故郷の蔵王山で、小学5年の登山で眺めたのが最初である。高校の校章もコマクサデザインであった。本山は百名山だが、簡単に登れた。草津高原は交通の便が良く、車で渋峠に上がり、高原を下ったこともある(17.7.15)。