磐梯山(1,819m)は、登攀コースといい、コースタイムといい小生の体力や経験には適度な山であった。厳しい岩場や梯子、鎖場はない。それでも最後の弘法清水と頂上の間では一部急登に出会ったが短い区間であった。深田百名山でもあり征服感は充分である。しかし、1,800mを超す名山を侮ってはいけない。下山して登山口に至る頃には太股に筋肉痛が出始めていた。
同級生と登山 郡山駅で磐越西線に乗り換えて会津盆地に入った右手には磐梯山が聳えていた。広い裾野に沿って顔を上げるとその上方に独特な山容が見える。磐梯町駅にAさんが車で待っていてくれた。
登山口八方台駐車場は混んでいた。最短コースで人気があるらしい。大型バスも駐車して、未だ夏山シーズンである。ブナ林から入った登山道は緩やかな上りで、木の根や岩はあるが歩き難い程ではない。林が切れた左手には裏磐梯高原が広がり、檜原湖や小野川湖、秋元湖の湖面が美しく、眼下のエメラルドグリーンの水面は五色沼であろう。正面には爆裂火口跡も見える。ちらりと急峻な山頂も覗けた。途中に現れるこれらの景色を望む展望台は休憩には程良く、疲れを忘れさせてくれる。中ノ湯温泉は閉鎖してあった。
弘法清水へ 高度を上げるに従い山中も奥へ進み、次第に山道も狭くなる。下山者もあり交差するのに待つ場面が増えた。現ルートは火口壁を迂回しているらしい。林から灌木地帯になった頃、分岐点に到達して、お花畑へ回る。岩峰を背景に黄色の花が一面に咲き揃い、見事だ。アキノキリンソウとAさんが教えてくれた。夏山の醍醐味でもある。岩峰は櫛ケ峰と地図で確かめた。中ノ湯から弘法清水まで約1時間半を要した。
弘法清水は登山者で一杯であった。山小屋二軒が営業中で、老若男女、学校登山の生徒も大勢休んでいた。清水はこの時期にも一筋の水を垂らし、小生も並んでボトルを満たした。意外に冷たく、Aさんにも勧めた。傍らには白い梅鉢草が咲いていた。
登頂し昼食 山頂は狭く、二人で三角点を探すも見当たらない。仕方なく、頂上を示す山名板を入れて記念写真とした。生憎空には雲が出ていて期待した360度の展望は得られない。悪天候ではないことに感謝すべきであろうか。次々と登頂する中、Aさん持参の昼食を戴く。食後のコーヒー付きだ。ポットにお湯を入れてあったのだ。山頂からは上りと同じコースを下山。約2時間で、登山口八方台駐車場に下りた。上りは2時間30分を要したから、やはり下りは早い。
郡山駅まで送って貰い、東京と仙台へと別れた。Aさん登山のリードのみならず、遠距離運転有り難うございました。お疲れ様でした。 (06/8/26 24/100)
追記 本山は、磐越西線で猪苗代駅付近からは全容が眺められるが、表と違い裏は、爆裂跡が生々しい。会津民謡でも知られた山で、その山に登ったのである。これも仙台在の同級生のお陰である。彼には、栗駒山や寒風山も案内して貰った。その彼が福島へ車で来てくれて、駅から登山口の送迎もしてくれた。現在も、本記録の読者でメールの交換がある。