河津桜満開の下から踊り子街道を歩く

 河津桜が好きだ。色濃いピンク花は何故か私を惹き付ける。これまでそちこちで河津桜を観て、本場伊豆河津の桜へと駆り立てていた。その時期が来た。数日前新聞に咲き始めたとの記事を見て、思い立った。少し遠いが、厭うことはなく、積年の想いを晴らしたい。更に河津から湯ヶ野温泉迄歩こうと思う。東京駅から特急踊り子号に乗った。

 満開の河津桜の下を歩く 特急は伊東駅を過ぎ伊豆急線に入り、左手に大海原が見え始めた。伊豆大島が意外に近く大きく見える。その先に小さな利島や新島も霞む。河津駅に着き下車すると観桜客で混雑中。マップを貰い駅から川沿いの桜並木へ歩き出す。売店のテントが出ている中、土手へ上がり左岸を遡上。期待通り河津桜は満開で濃いピンクを超え、紫がかった花々は見事に咲き開いている。その下をカメラアングルを探しながら行く(写真上)。中高年のみならず若い人や隣国人も混じり多くの人出があり、流石河津桜の本場で、名所である。

 もう少し静かに歩き、観たいと思い土手を上流へ向けると僅かながらも見物客が減り始めた。来宮橋で右岸へ渡ると、川越しの反対側に続く桜並木が美しい。シャッターを切った。こちらは静かで、もう下るペアや家族連れがぼつぼつ。土手下にはみかんの木があり橙の実を付けている。かわづいでゆ橋でまた左岸へ渡り返すと、人出はゼロに等しく桜木も少なくなった。

 河津から湯ヶ野温泉へ 本日は湯ヶ野温泉迄歩こうと思う。温泉には踊り子碑があるようで、見てみたい。以前天城峠を越した際バスで通り、歩ける距離のように見えた(12.5.19)。地図で調べると河津駅から約6㎞程度のよう。3㎞近くは歩いているので、そう遠くはない筈。川を離れ国道となり、峰大橋を通過する。山間の集落の間の道を上がり続け、湯ヶ島へ1㎞の表示を見付け、順調。踊り子街道だろう。

 映画の儘の福田家旅館 湯ヶ野へ着き、バス停でバス時間を確かめ、温泉街へ。福田家を探しに谷川へ下りると、正面に映画やテレビで観た古い旅館があった(写真)。橋を渡り、文学碑を見る。川端の書で、踊り子像ではない。伊豆の踊り子の映画は観なかったが、鰐淵晴子や吉永小百合、内藤洋子、そして百恵ちゃんが演じたことは知っている。橋上で休憩しながら、踊り子の入浴シーンがあったのはこの温泉だったかなと谷沿いの旅館を眺めた。復路は湯ヶ野温泉からバスで河津駅へ。途中下車し再度桜の下も考えたが、電車時間が合わない。駅前に踊り子と学生の像があると知り、カメラに収め(写真下)、ホームへ上がると、もう並び列が出来ている。下田駅からの鈍行はガラガラで、席は確保できた。2018/03/24 K.K. 1171/1200

□日時 2018/3/6□天候 曇り □交通費 7,590円 □資料 昭文社「山と高原地図20 伊豆」 □歩行距離 11km 15,000歩
「通過時間等」自宅7:45-JR東京駅9:00-伊豆急河津駅11:40=来宮橋11:55=かわづいでゆ橋12:10=峰大橋12:25=福田家前13:00=湯ヶ野温泉バス停13:33-伊豆急河津駅14:08-JR熱海駅15:47-三田線内幸町17:45-自宅18:30