最北の美幌峠に立ち屈斜路湖を眺める

 今年の渡道は、美幌峠へのバスの便が開始した時期に合わせた。十勝音更からの帰路は、網走から美幌峠を目指した。前日網走駅前に泊まり、峠へ向かったのであるがとんでもないミスをしてしまった。生来の早呑み込みとそそっかしさの所為である。一瞬峠行きは諦めようかとの思いが頭を掠めた。それでも、峠に立つことが出来た。

 女満別駅か、美幌駅か 北海道滞在最終日、美幌峠へ向かうべく、朝8時過ぎ網走駅で石北線に乗り、女満別駅に降りた。しかしバス停はなく、駅で聞いたがないという。駅前をウロウロしようやく気が付いた。峠行きバスは、女満別空港発だがバス停のある駅は女満別駅ではなく、二つ先の美幌駅ではなかったかと思い、スマホで検索したら美幌駅と分かった。駅の方にタクシー会社の電話番号を教えて貰い、タクシーを呼ぶ。時間、費用とも、何とか間に合い、美幌駅でバスを待った。
 峠の先は屈斜路湖 美幌峠は二度目である。若い頃に訪ねた思い出から、学生の頃見た小林旭の大草原の渡り鳥シーンと重なり、今回再訪を計画。美幌駅は記憶になく、古い鉄道車輌のある倉庫のような展示室が浮かぶだけ。定刻に阿寒バス社のバスが来て、小型バス内は7人の乗客。市街地を出て、峠へ走った。高原地帯へ上がり、峠頂上手前に降りると周囲は緑一色の草原だが、私のイメージと同じではなく、前回の記憶とも違うと思う。観光客の多い中、先ずは峠展望台へ坂道を上がる。途中に唄が流れ、美空ひばりの“美幌峠”の歌碑があるが、私は初めて聞く唄。カメラに収め、展望台へ。私の予想に反し、反対側は落ち込みその先は大きな屈斜路湖(写真上)。旭の渡り鳥が馬で渡った大草原ではなかった。

 “君の名は”のロケ地 峠の道の駅へ入ったら、当地がロケ地になった映画君の名はの第二部が紹介され、当時の写真が展示してある。主演佐田啓二と岸恵子の有名な映画だが、当地も舞台になりロケが行われ、アイヌの娘役で北原三枝も出ていたとある。初耳で、そう言えば、歌手織井茂子が“クロユリは恋の花 アイヌの神のタブーだよ・・・”と唱う、君の名はの主題歌があり、それで符合すると知った。昭和20年代の後半で、よくこんな最北の地を舞台やロケ地にしたと感心してしまった。
 バスの時間になり、私は女満別空港行きに乗り、峠を下った。美幌駅での休憩中、駅前に“君の名は”の碑と“まちこ杉”があった(写真下)。ここの駅でも春樹と真知子の擦れ違いがシーンが撮られたようである。帰宅後、アルバムを探したら見付かり、峠は“平成元年8月25日”の日付で、まちこ杉の写真もあった。あの時は、確か弟子屈に泊まり、バスで摩周湖、硫黄山、屈斜路湖、そして美幌峠で、その後美幌駅へ下りて阿寒湖、釧路だったと思い出した。若い頃にした初めての北海道の旅で、30年前は遠い過去であった。 (2019/08/30 K.K. 1278/1300)

◇日時 2019/8/3 ◇天候 晴 ◇交通費 5,630円 ◇資料 ひがし北海道観光協議会「2019ひがし北海道」 ◇歩数等 9,000歩 6km
「通過時間等」網走宿泊先8:30-JR網走駅8:40-同女満別駅9:10-同美幌駅10:00-美幌峠10:40/11:55-女満別空港15:05-羽田空港16:00-三田線三田駅16:30-自宅17:15